2016 Fiscal Year Research-status Report
正期産新生児に対する呼吸循環機能の無拘束測定方法の信頼性と有用性に関する研究
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26861918
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
徳武 千足 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (00464090)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新生児 / 呼吸循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度までに小児用スリープレコーダを用いて新生児呼吸状態の測定したデータの解析を引き続いて行った。これまでに、計14名の正期産新生児に対して、1回2~3時間の測定を1名につき3回行ってきた。その結果、ほとんどの症例において、動脈血酸素飽和度が95%未満になることが確認された。また、生後日数を重ねることで動脈血酸素飽和度の平均値は上昇傾向に、対象の分析可能時間に占める動脈血酸素飽和度95%未満の低下時間の割合は減少傾向にあった。さらに解析を進めると、羊水混濁あり群では羊水混濁なし群に比べて生後1日目における平均動脈血酸素飽和度が有意に低く,対象の分析可能時間に占める動脈血酸素飽和度95%未満の低下時間の割合が有意に多かった。睡眠覚醒別にみると、睡眠群・覚醒群・活動的な覚醒群の全例で動脈血酸素飽和度が低下することが明らかとなった。症例別では、動脈血酸素飽和度の変化は個人による差が大きかったことから、今後は対象の症例数を集積し、さらなる研究と検討が必要であることが示唆された。 また、昨年度までは体動の少ない覚醒時および睡眠時には呼吸循環の測定可能であることが確認されているが、体動時にはノイズが入り正確な測定ができていない可能性があることが分かっている。目測での呼吸数とスリープレコーダでの解析結果を比較したところ、睡眠時にはほぼ同値であることに比較して、体動時の呼吸数は測定が難しい。現在、他の器機との比較検討に向けてプレテストを行っている。それと同時に、小児用スリープレコーダで測定したデータの新たな視点からの解析方法について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新生児の呼吸循環機能を測定する機器の準備を進めているが、これまで測定したデータ解析について、睡眠覚醒別の呼吸循環状態の変化をみているため、連続データを測定しておりデータ数が多い時間を要した。さらに、データ測定のための準備にに時間がかかったため、研究期間の延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで測定したデータ解析においては、現在も解析を進めている途中である。睡眠覚醒別の呼吸循環状態を比較検討する、さらに基礎情報の背景要因別に比較検討するなど、様々な視点からの解析により、正期産新生児の呼吸循環機能についての新たな知見を模索していく。また、さらに研究を進めるためにデータの集積を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していたデータ測定がやや遅れているため、平成29年度にその費用を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、データ測定に必要な消耗品ならびに、新生児及び呼吸循環機能に関連する図書、学会発表及び論文発表・論文投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)