2015 Fiscal Year Research-status Report
幼児の診療・処置・検査時における前向きな行動の尺度開発
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26861927
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40586484)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幼児 / 尺度開発 / 採血 / 予防接種 / がんばった |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度の研究活動により研究課題名の「前向きな」行動を「達成感」という概念に特定し研究を遂行していくと報告したが、検討を進めていくと「達成感」は幼児にとっては高度な認識であるゆえ、再検討を行なった。その結果幼児の「がんばった」に着目し、また、「診療・処置・検査時」としていたところをより具体的に「採血・予防接種」に変更した。さらに、幼児の条件として3-7歳児であること、穿刺部周囲に知覚障害がなく、年齢相当の認知発達を遂げている子どもに限定した。 今年度は尺度を開発するに当たって、最初の調査である「採血・予防接種を受けた幼児のがんばった」とは何かということを明らかにするため、看護師および保護者にインタビューを行い、採血・予防接種を受けた子どものどのような言動(言語、行動、表情等)が「がんばった」を示しているのかをインタビューにて情報収集していた。しかし、研究協力者が自由意思による参加のため、あるいは研究協力施設の倫理審査の手続きの遅れなどにより平成27年度内に予定していた対象者数を確保し、情報収集することができなかった。 来年度は早急に予定している研究協力者数に到達するために応募、ならびにインタビューを終えられるようにする。インタビュー調査後は結果を基に作成した採血・予防接種を受けた幼児のがんばったを示す言動に関するアンケートを1)全国の小児看護の教員、2)小児看護を臨床で提供している看護師に配布し、インタビューで抽出された採決・予防接種を受ける幼児の「がんばった」に関する言動の信頼性・妥当性を統計的に解析を行い、「がんばったスケール」を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定では平成27年度内にインタビュー調査を終わらせる予定であったが、施設への倫理審査の手続きの遅れ、研究協力者の参加希望がなかったことなどにより、平成28年度に持ち越す課題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗の遅れを取り戻すために、1)インタビュー調査を早期に終了させること、2)次のアンケート調査のための準備を同時進行で行うこと、の2点が必要である。諸処の手続き、インタビューデータの分析、アンケートの雛型の作成等にかける時間を増やして調査を推し進めることが必要と考える。 また、当初の計画では作成した試作版を実際の臨床場面で検証することで信頼性をより高める予定であったが、アンケート調査(探索的因子分析、確証的因子分析)のみであっても信頼性を十分に担保できるため、本研究課題においては臨床での検証は割愛する。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況が当初予定していた計画より遅れているため、購入を予定していた物品購入を購入していない。また、研究方法の修正に伴い、購入しなくてもよい物品が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗の遅れにより、執行できなかったものについては平成28年度に執行する。また、インタビュー調査の中で、研究対象者の場へうかがう際の旅費を計画段階では想定しておらず、残額に関しては他の細目を調整しながら、旅費に当てていく予定である。
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