2015 Fiscal Year Research-status Report
日本・韓国・在日未婚カップルの家族計画に影響する価値観に関する基礎的研究
Project/Area Number |
26861935
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高 知恵 (椿知恵) 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (60582319)
|
Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 日本:韓国 / 在日コリアン / セクシュアリティ / 家族形成 / 価値観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本、韓国、在日コリアン未婚カップルの家族計画に影響する価値観について面接調査から明らかにし、どのようなセクシュアリティへの支援が求められているのかについて考察することで、次世代若者が幸せな家庭を築いていけるための基礎的な資料とすることを目的に、平成27年度は日本、韓国、在日コリアンの若い男女未婚カップル11組(合計22人)へのインタビュー調査を実施した。
【対象者の属性】男性の平均年齢は27.2歳、女性は26.9歳で平均交際期間は33.1か月、国籍別内訳は「日本-日本」2組、「日本-在日」3組、「日本‐韓国」1組、「韓国‐韓国」2組、「韓国‐在日」1組、「在日‐在日」2組であった。 【結婚に関する価値観】としては、すべてのカップルは結婚を望んでいたが、特に女性は自身の年齢を気がかりにしており、なるべく早い時期にや、35歳までには結婚したいという語りが多かった。また、結婚に関しての不安では、男性は特に経済的不安を多くあげており、女性では経済的不安とともに自身のキャリアに対する不安や、国籍の違いに対する不安もあった。【家族形成に関する価値観】としては、多くのカップルで結婚後は子どもを持ちたいと望んでおり、結婚=家族形成、と考えていた。希望の子どもの数は2人という者が多く、性別では女子を望む傾向が強かった。【国籍やルーツの違いから生じる問題】としては、文化や背景、習慣の違い、親への理解を促す方法、状況が変わった時の変化の大きさなどの気がかりや困難を抱いていたが、お互いの文化を知ることができ、言葉の習得につながるなどの肯定的な意見もあった。
今後、さらなる分析をすすめ、日本、韓国、在日コリアンの若い男女未婚カップルへのセクシュアリティ支援について検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では面接調査対象者を15組30人としており、現時点で11組22人への面接を実施している。そのため、概ね予定通りの進捗状況である。 また、日本や韓国の社会、文化的特徴やリプロダクティブヘルスについての文献検討は実施できており、若い男女のセクシュアリティへの課題や対策についての、文献を用いた検討はできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
面接調査を継続しながら、調査で得られたデータを逐語録に起こし、コード化、カテゴリー化していく。 特に男女のセクシュアリティや家族形成、リプロダクティブヘルスに関する課題について考察する。 国籍やルーツの違いから生じる気がかりや困難、または肯定的側面についても分析しながら、様々な背景を持つ若い男女が幸せな家庭を築いていけるような支援について検討する。
|
Causes of Carryover |
インタビューのテープ起こしのための費用として考えていたが、見積もり金額が予定よりも高く、残金での支払いができないと判断したため、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用しようと考えた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合算し、面接調査のテープ起こしの費用として使用する。
|