2016 Fiscal Year Annual Research Report
The values of family planning among unmarriaged couples composed of a mix of Japanese, South Korean nationals, and Ethnic Koreans born in Japan (Zainichi)
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26861935
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高 知恵 (椿知恵) 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (60582319)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2017-03-31
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Keywords | セクシュアル・ヘルス / 未婚カップル / 日本・韓国 / 在日コリアン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では日本、韓国、在日コリアン国際未婚カップルのセクシュアル・ヘルス支援の基礎的データを得る目的として、結婚や家族計画、ワークライフ・バランスなどのセクシュアル・ヘルスに影響する価値観についてのインタビュー調査を行った。研究の全期間を通して13組(合計26名)へのインタビューを行った。
【結婚や家族形成に関する価値観】本研究対象者の多くは結婚や子どもを持つことに対して積極的な思いを抱いていたが、家族形成に対する不安も多く、特に韓国人男性は経済的な不安を強く抱いていた。また、日本、韓国、在日コリアンの3つの背景のうち、異なる背景を持つカップル間では、国籍やルーツが異なることによる不安が表出され、そこには地理的な問題とともに、家族の理解を得ることの困難性についても表現されていた。【ワークライフバランスに関する価値観】では、仕事も家事、育児も両立して行っていきたいという語りがある一方、子どもが小さいうちは仕事を辞めて子どもと一緒の時間を過ごしたいという思いもあり、ダブルスタンダードな思いが表出された。また、本研究対象者の語りの中から、男性は積極的に外で働きながら家事や育児は「手伝う」、そして女性は「積極的に家事・育児役割を担う」という、いわゆる性別役割分業意識の強さも表現されていた。
日本、韓国、在日コリアン国際未婚カップルへのセクシュアル・ヘルス支援としては、①新たな家族計画を望むカップルへの家族計画指導や男女両方への妊娠、出産、育児に関する知識および技術の提供、②国籍やルーツが異なることで生じる不安や課題が解消できるような相談窓口の開設と正確な知識提供が、医療専門職者として実現すべき支援であると考えられた。
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Research Products
(4 results)