2016 Fiscal Year Research-status Report
学童期以降小児がん経験者のための外来における健康教育プログラムの開発
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26861936
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
土路生 明美 (東明美) 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (00347626)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小児がん経験者 / 若年成人 / 健康行動 / 保健教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,長期フォローアップ外来において,学童・思春期,あるいは成人に達した小児がん経験者を対象に行われている健康教育の現状を明らかにし,小児がん経験者や家族のニーズに沿った健康教育プログラムを開発することを目的とする。 平成28年度は平成27年度の行った小児がん経験者の母親への面接調査をまとめ、就労している男性小児がん経験者の健康行動について、学会発表、文献検討を行った。面接調査結果では、対象者となる母親は、就労している経験者について、暴飲暴食など不健康な〔現在の健康行動に関する心配〕があったが、〔がん治療の影響で生活上の注意点を伝えること〕、〔主治医との関係への期待〕、〔同年代の人と同様に今を楽しんでほしい〕と思うなどの対処をしていた。現在も治療を継続している経験者は服薬の継続や主治医とのコミュニケーションについて〔治療継続への心配〕はあるが、健康行動と同様に服薬を促すなどの対処をしていた。将来的な視点では〔結婚に関する心配〕があり、男性の不妊は結婚とともに生じるため対象者は開示の必要性を感じ、経験者に伝えるなど対処していた。対象となった経験者の健康行動について、先行研究同様に、飲酒・喫煙行動以外はリスク行動は見受けられなかった。対象者は暴飲暴食、喫煙を心配していた。小児がん経験者の喫煙・飲酒量等の健康行動の詳細を把握し、不健康行動について振り返りができる機会の提供が必要である。就労や非正規雇用に伴い体調へ影響する働き方になっていることへの心配や治療継続に関する心配があった。成人し就労した時点において、対象者は経験者の健康状態を確認し、主治医への相談を促したり、健康状態が悪化しないように見守り、経験者の行動について尊重し心配はあるものの何も言えない状態にあった。経験者が主体となって周囲に助けを求めながら健康を整えられるよう、経験者だけでなく家族の見守りも重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
面接調査の対象者が集まらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は面接調査対象の拡大、若年成人期の小児がん経験者の比較対照群となる大学生のライフスタイルに焦点をあてた質問紙調査を行う予定である。 併せて、小児がん経験者の健康行動(食事、運動、喫煙、飲酒など)に焦点をあてた質問調査の準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
旅費や調査協力謝金等あまり発生しなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は小児がん経験者のライフスタイルに関する質問紙調査を行い、中四国地域の大学での研究協力員へのアルバイト代、共同研究者への謝金として使用していく。
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