2014 Fiscal Year Research-status Report
“女性を中心としたケア”の文化的背景を踏まえた助産師のケア評価尺度の開発
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26861939
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
飯田 真理子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (90438854)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 尺度開発 / 助産ケア / 女性中心のケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、“女性を中心としたケア”の文化的背景を踏まえた助産師のケア評価尺度を開発し、その妥当性と信頼性の検討を行うことである。この尺度を用いることによって、助産師は自らのケアの評価を行うと同時に、女性のニーズに応えられているかを内省することができる。また、ケア基準・ケア体制の整備につなげることで助産ケアの質の向上に貢献することができる。さらに、“女性を中心としたケア”の概念を多文化で比較することによって、この概念が文化を超えて助産ケアの本質を捉える概念であるかの検証が可能となる。 平成26年度は、日本において助産師主導ケアと医師主導ケアを受けた女性の“女性を中心としたケア”の認識の比較を行った論文を投稿し、海外の学術論文雑誌に掲載された。この研究の結果としては、産科的にリスクの低い女性に対する助産師主導ケアは、医師主導ケアと比較して母子の健康状態は劣らず、“女性を中心としたケア”の概念をもとに行われたケアは女性の心身の健康状態にポジティブな影響をもたらし、新生児の健康状態も良好であるということが示された。これによって“女性を中心としたケア”の概念は、ケアの受け手である女性がケアを評価する尺度として一定の測定力があることが示された。 “女性を中心としたケア”の文化的背景を踏まえてという点に関しては、インドネシア人の共同研究者が来日した際に議論を重ね、今後の研究の方向性とデータ収集施設や対象について、具体的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の研究目的は、日本語版助産師用“女性を中心としたケア”尺度の開発であったが、それが滞っている。 今後の研究の方向性とデータ収集施設や対象については、具体的な方法まで検討できている。
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Strategy for Future Research Activity |
インドネシア人の共同研究者と議論を重ねた結果、研究方法に関して変更をする必要性がみられた。まずはインドネシアにおいて助産師にインタビューを実施し、その中から“女性を中心としたケア”に関する文化的な背景を見出し、その内容を尺度開発につなげるのがプロセスとして妥当ではないかと話し合った。そのため、今後の研究計画をそのように変更していくことを視野に入れることとした。
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Causes of Carryover |
データ分析を依頼する際の謝金として支出予定であった額を使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビューデータの翻訳やデータの分析、学術論文へ投稿する際の投稿料に使用する予定である。
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