2015 Fiscal Year Research-status Report
タンザニア農村部の妊産婦の健康を促進する地域ボトムアップ体制の構築
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26861940
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
新福 洋子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (00633421)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 助産学 / 国際協働 / 妊娠期教育 / アフリカ / タンザニア / アクションリサーチ / ボトムアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、タンザニア農村部の妊産婦の健康を促進するために、市民参加型のアクションリサーチを通して、先行研究で開発した妊娠期教育プログラムを拡大する地域ボトムアップ体制を構築することである。 本年度は、開発した妊娠期教育プログラムを、病院の妊婦健診時に、妊婦とその家族に実施できるようトレーニングのパイロットを実施した。助産師、看護師、看護助手29名を対象とし、昨年度までのヒアリングと先行研究から、妊婦とのコミュニケーションやカウンセリングスキルに焦点を当てたトレーニングとした。結果、助産スタッフのカウンセリングスキルに対する知識が向上し、出口調査では、助産スタッフから必要な情報を得ている妊婦の数が増加した。 同時に、計画していた伝統的産婆(TBA)を対象としたインタビューを実施した。15名がインタビューに応じた。スワヒリ語のインタビューをデジタル録音し、逐語録を作成し、英語に翻訳した。これまでの分析で抽出されたのは、TBAと病院のスタッフとの関係性に対する介入の必要性であった。TBAが妊婦の異常を発見し病院に送り届けても、病院スタッフがTBAと関わろうとしないということがあり、情報の伝達がされず、処置が遅れることがある。50%以上が自宅出産しているタンザニア農村部で、TBAの役割を地域のステークホルダー全員で共有認識し、必要な連携を取ることが、妊産婦の安全の向上につながると考えられた。 昨年度データ収集した質問紙データは、データ整理と確認が済み、分析に入ったところである。一次分析で見えてきたのは、より妊娠期に計画的に準備をしている妊婦と家族は、病院出産をする傾向にあるということであった。妊娠中の出産準備度を高める本教育プログラムの意義が確認された。 これまでの結果を統合すると、今後は病院スタッフや関連するステークホルダーの、TBAの役割に対する認識調査を進める必要性が認められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画していたTBAへのインタビューを実施し、同時に翌年に予定していたトレーニングのパイロットも実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、病院スタッフや関連するステークホルダーへフォーカスグループインタビューを実施し、TBAの役割認識と今後の連携に対する調査を実施することである。
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Causes of Carryover |
タンザニアへの渡航を3月に予定し、帰国が4月であったため、会計上の執行が次年度となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3月~4月に実施した渡航で使用した。渡航の目的は、今後実施する教育プログラムに向けたWHOセミナーへの参加と、研究協力者やフィールドとの調整であった。データについて現地の研究協力者と確認し、今後の方向性と具体的な予定を話し合った。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Global Collaboration Between Tanzania and Japan to Advance Midwifery Profession: A Case Report of A Partnership Model2015
Author(s)
Shimpuku, Y., Horiuchi, S., Leshabari, C.S., Mkoka, D., Nagamatsu Y., Matsutani M., Eto, H., Oguro, M., Yaju, Y., Iida, M., Mbekenga, C., Mselle L., Mtawa, A.
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Journal Title
Journal of Nursing Education and Practice
Volume: 5
Pages: 1-9
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Understanding Discrepancies of Birth Preparedness among Pregnant Women, Husbands, and Their Families in Rural Tanzania2015
Author(s)
Shimpuku, Y., Madeni, F., Horiuchi, S., Leshabari, S.
Organizer
The ICN Conference 2015
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
2015-06-19 – 2015-06-23
Int'l Joint Research
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[Presentation] Promoting Factors to Establish The Successful Inter-Professional Partnership Model After The Great East Japan Earthquake2015
Author(s)
Kubota, K., Shimpuku, Y., Ochiai, K., Mizutani, M., Otsubo, Y.
Organizer
The ICN Conference 2015
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
2015-06-19 – 2015-06-23
Int'l Joint Research
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