2014 Fiscal Year Research-status Report
小児看護領域における継続教育研修プログラムの作成に関する研究
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26861941
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山田 咲樹子 東京女子医科大学, 大学病院, 看護師 (20723191)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児看護 / 研修 / 継続教育 / 新人看護師 / 臨床 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児看護領域の継続教育に関する医療施設の現状と教育担当者の認識を明らかにすることを目的に質問紙調査を行った。小児病棟を有する大規模医療施設の中で、管理者や院内継続教育研修の企画・運営に携わる看護師を対象とし、基本情報・小児看護研修内容・研修の必要性や認識に関する調査の結果、99施設(回収率51.2%)から回答を得た。 1.小児看護領域における継続教育研修の内容 小児系新人看護師研修は、46%が成人研修と一緒に実施され、小児単独で行っている施設は12%であった。小児単独研修を行っていない理由は、参加者が少ない・時間の確保が困難・参考プログラムがないが上位に挙げられ、時間の確保ができる・ニーズがある・教えられる人がいる・参考プログラムがある等の条件が揃えば実施できると考えていた。 2.小児看護領域における継続教育研修の必要性や認識 小児系新人看護師研修について、65%が「成人と区別して行う必要がある」と答え、理由に小児看護の専門性や特殊性が挙げられた。28%は「成人と区別して行う必要がない」と答え、専門性や特殊性はOJTで学習するものと考えていた。一方で「成人と区別して行う必要がある」とした群のうち、半数以上が自施設での小児看護研修は「十分でない」と答え、時間や人員確保の困難さ、OJTでの教育の現状から、部署での根拠に基づいた教育は十分でないと感じていた。以上から、小児系部署の看護師の割合が少ないことや時間確保の困難さから、研修は部署でのOJTに任されることが多いとわかった。一方で管理者や教育担当者が小児看護経験者であると、小児看護の特殊性への認識があり、成人と区別した教育が必要であると感じていることもわかった。しかし、参考になるプログラムやニーズがないと捉える者もおり、OJTだけでなく、病院全体で小児看護技術を向上させるような教育プログラムを提示する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は今後の研究につながる基礎的調査研究であり、期間内に調査の実施と分析まで終了することができ、計画通り進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果から、一般的な医療施設では看護師の多くが成人患者を対象としており、小児系部署に配属される看護師の割合は少なく、時間や人員の確保の困難さから、教育研修は各部署におけるOJTに任されている現状が明らかとなった。また、管理職または教育担当者が小児看護経験者であると、小児看護の特殊性への認識があり、成人と区別した教育が必要であると感じていることもわかった。しかし、参考になるプログラムや研修ニーズがないと捉える者もいることから、部署によるOJTだけでなく、病院全体で小児看護技術を向上させるような教育プログラムを提示する必要があると考えた。次年度は、この成果をもとに、経験年数に応じた看護師の学習ニーズと教育環境の現状を明らかにし、最終的に学術的な根拠に基づく継続教育研修プログラムの作成へつなげる。
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Causes of Carryover |
物品費に関して、研究協力者使用分を次年度の予算より支出することとしたため、繰り越し金が発生した。またその他費用では、成果発表を次年度の学会で行うこととしたため、予算を繰り越しとした。さらに、年度末に研究代表者が産前休業となったため、使用期間が短縮された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は調査対象が増えることが予想されるため、新たな研究協力者を要請している。 そのため、研究協力者が使用する物品や会議費が当初の予定より増額すると考え、繰越金を補填する。
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