2014 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー疾患患児に対するストレスマネジメント教育プログラムの開発
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26861943
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
飯尾 美沙 関東学院大学, 看護学部, 助教 (50709011)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 小児アレルギー疾患 / ストレスマネジメント / 学童 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疾患を患う子どもは,健康な子どもと比較して心理社会的問題を抱えるリスクが高く,多様なストレスを抱えている。小児アレルギー疾患の治療においては,薬物治療のみならず,ストレスを含む悪化要因の除去・対処といった治療環境の調整が重要である。そこで,外来治療中のアレルギー疾患患児を対象としたストレスマネジメントプログラムを開発することを目的に,平成26年度はプログラム開発の情報収集を目的とした文献検討,および面接調査の準備を実施した。 文献検討では,小児アレルギー疾患に限らず,小児慢性疾患に関連するストレッサーおよび対処行動(コーピング)に関する研究について,PubMed,MEDLINE,CHINAHL,医学中央雑誌,CiNiiのデータベースを用いて5編の論文を抽出し,そのうち外来患児を対象としている3編について検討した。疾患に伴うストレッサーは,「日常生活における不便さ」,「対人関係」,「身体症状」,「学校関連の問題」などが挙げられ,コーピングは,「あきらめる」,「気晴らしをする」などが挙げられた。 面接調査の準備においては,文献検討の結果および小児アレルギー(喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー)の治療内容・セルフケアに基づき,学童後期の子どもに理解可能なインタビューガイドを作成した。さらに,所属施設および研究協力施設における研究倫理審査会に申請し,両施設において承認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究遂行が遅れている理由として,以下の三点があげられる。一点目は,面接調査の実施にあたり,所属機関および研究協力施設の倫理審査会に諮ったが,所属機関の「人に関する研究倫理審査委員会」が整備段階にあり,承認までに3か月の時間を要したため,平成26年度の早い時期から調査が実施できなかったためである。二点目は,当初予定していた施設での研究実施が困難となり,他の施設に協力を依頼し,許諾を得たためである。最後に三点目として,研究代表者の産前産後休暇および育児休業により,4か月間研究を中断したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,外来治療中のアレルギー疾患(喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー)患児16名を対象に面接調査を実施し,治療に伴うストレスに影響を与える要因,および疾患に伴うストレスへの対処行動について分析する。さらに面接調査の結果は,小児看護学を専門とする教員,およびアレルギー専門医(小児科医)の研究協力者間において内容の妥当性を検討する。また,文献検討の結果および面接調査結果を基に,小児アレルギー患児のストレスマネジメントプログラムの原案を作成する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた面接調査が実施できなかったため,調査のための旅費および音声データの逐語録作成の業者委託費として計上していた費用が未使用となったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は研究費を面接調査のための旅費,調査対象者への謝礼,収集する音声データの逐語録作成のための人件費(業者委託)として使用する。また,研究成果の公表に伴い,英文校閲費,論文掲載料等に使用する。
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