2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の権利擁護に向けた看護職のレジリエンス向上のための教育プログラムの開発
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26861949
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
永田 美奈加 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10461716)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 権利擁護 / 看護職 / レジリエンス / 介護サービス事業所 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、1.高齢者虐待の現状と防止対策および看護職におけるレジリエンスに関する文献検討を行うこと、2.本研究の基盤として実施した事前調査の分析を行い、看護職の高齢者虐待に関する認識と関連要因を明らかにすることを目的とした。 1.文献検討の結果:高齢者虐待に関する調査の多くが介護職員や介護支援専門員を対象としたものであり、介護サービス事業所に勤務する看護職を対象とした報告は少ない。そのため虐待防止に関する研修や教育の実態についてよく分かっていない現状である。レジリエンスについては、介護サービス事業所の看護職を対象とした調査報告はみられず、その実状は明らかになっていない。これらのことから、今後予定している、教育の実態やレジリエンスに焦点をあてた調査・分析の必要性について再確認することができた。 2.調査結果の分析:A県介護サービス事業所529施設の看護職を対象とした質問紙調査の結果、310(58.6%)の回答が得られ、分析対象は284(53.7%)であった。虐待について、日常のケア場面において3割の者が、自分の行為が虐待に該当するのではないかという認識を持っていた。その内容は心理的虐待、身体的虐待、介護・世話の放棄・放任に該当する行為の順に多かった。また、虐待に該当する行為や不適切な行為をしそうになったことの有無についても約3割があると回答し、理由として多忙、認知症の方で理解が得られなかった等を挙げていた。虐待の認識には、職場での虐待防止への取り組みや研修の受講状況、スタッフ間の情報交換・連携、職員のこころの健康状態が関連していることが分かった。虐待防止へ向けて、事業所に今回の調査結果を還すことが重要であると考え、調査報告書を作成し、事業所への送付を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.文献等により本研究の位置づけと意義を確認した。2.予定していた事前調査の分析を行い、その一部を学会で報告した。また、調査報告書を作成し、事業所への送付に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.事前調査の結果において、まだ報告していない内容について学会等で報告する。2.これまでの調査をもとに対象を拡大し、介護サービス事業所に勤務する看護職の権利擁護に関連した研修・教育の状況およびレジリエンスに関する質問紙調査を実施する。3.調査結果の分析から、現在の教育状況やレジリエンスの実態および関連要因について明らかにし、高齢者の人権を尊重したケアに向けた教育の示唆を得る。
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Research Products
(1 results)