2015 Fiscal Year Research-status Report
経管栄養患者の排便状態を改善するための半固形化栄養剤による援助方法の開発
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26861952
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小岡 亜希子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50444758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 経管栄養 / 排便 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、療養病床に入院する65歳以上の高齢者のうち、経管栄養法により栄養を補給している高齢者54名の排便状態の実態を明らかにした。経管栄養を受ける患者の排便状態は、ほとんどの者がトイレでの座位保持ができず、便意の訴えがなく、おむつに排便している状態であった。さらに約7割の者が水様の下痢便を排便していた。経管栄養法については、約9割が液状の栄養剤を使用しており、ベッド上で経鼻あるいは胃瘻から注入されていた。下痢症状と経管栄養法の関連をみると、下痢している者はそうでない者のに比べて有意に1回の注入量や水分量が少なく、下痢を予防するために1回注入量を減らして消化管への負担を軽減するという対策をとっていることが推察された。下痢症状に影響すると思われた下剤の使用には関連が認められず、半固形剤を使用している者は有意に下痢が少ないという結果であった。このことから、下剤のコントロールだけでは便の形状のコントロールは難しく、半固形剤の使用を試みるなどの対応策を今後検討する必要性が示唆された。 平成27年度は、この内容を6月に開催された第20回日本老年看護学会で発表し、さらに対象者を増やして研究を進める必要性が求められた。その後調査を継続し、140名までケースを増やし、その結果を老年看護学会に論文投稿した。 研究結果から、胃瘻造設患者の下痢改善のためには、半固形化栄養剤を用いることが有効であることが確認された。そのため、経管栄養を受ける高齢者で下痢を繰り返していた高齢者に対し、経管栄養剤の形状を半固形化し、下剤の内服量を調整して便の有形化を図る事例研究を行った。その結果を、第29回老年泌尿器科学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、経管栄養をうける高齢者の排便状態と下痢に関連する要因の実態調査を終了した。引き続き半固形化栄養剤を用いて排便状態が改善した事例における看護師へのインタビュー調査を実施する予定であったが、半固形化栄養剤を用いることが、下痢改善のために有効であることが確認されたため、胃瘻造設患者で下痢を繰り返している事例に対して、実際に半固形化した栄養剤を用い、下痢の改善のために取り組む事例研究へと切り替えた。3日に1回激しい下痢を繰り返していた事例に対し、下剤の内服量を調整し、増粘剤を用いて液状栄養剤を半固形化する方法で便の有形化を図った。その結果、便の性状はやや硬化し、広範囲に便汚染されることがなくなり、QOLの向上へと繋がった。 二次調査の内容は変更となったが、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
療養病床において経管栄養を受ける高齢者の排便の実態と下痢に関連する要因についてその調査を終了した。下痢を改善するためには、半固形化栄養剤の使用が一つの有効な手段であることは認められた。事例検討は1事例のため、今後はケースを増やしていきたいと考えている。 また、平成28年度の科学研究費助成事業に採択されたため、今後は経管栄養を受ける患者の下痢症状を改善するためのケアプログラムの開発を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
補助事業期間中に、経管栄養を受ける高齢者の排便状態の実態を把握し、下痢に関連する要因を明らかにした。その結果を学会発表し、日本老年看護学会に論文投稿した。下痢改善のために半固形化栄養剤を使用することは有効であるという結果を得たため、実際に液状栄養剤から半固形化栄養剤に変更し、排便状態の変化を見たいと考えている。数例であるが、改善事例を認めており、学会発表を予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年5月13日~14日に福岡国際会議場で開催される第29回日本老年泌尿器科学会で発表する予定である。今後も事例を増やしていく予定である。 補助事業期間延長承認:平成28年3月22日
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Research Products
(2 results)