2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of assistance method by semi-solidified nutrient to improve defecation status of tube feeding nutrition patients
Project/Area Number |
26861952
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小岡 亜希子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (50444758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 経管栄養 / 排便 / 半固形化栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
経管栄養をうける高齢者の排便の実態と下痢症状に関連する要因を明らかにすることを目的に、療養病床に入院中で経管栄養を開始して6か月以上経過している高齢者140名を対象に調査を実施した。下痢症状が認められる者は、113名(80.7%)で、便失禁している者が138名(98.6%)であった。下痢症状と有意な関連が認められた項目は、座位保持能力,栄養剤の形態,液状栄養剤使用者の1時間当たりの注入量であった。下痢症状のある者は、そうでない者に比べて1時間当たりの注入量が少なく、注入速度をゆっくりにすることによる下痢症状の改善が難しいことが推察された。また、下痢していない者は,半固形栄養剤の使用者が多かったことから,下痢症状の改善に半固形栄養剤を用いることが有効であることが確認された。さらに、下痢症状は,座位保持能力が低いこととの関連が認められ、身体機能が排便に影響していることが示唆された。 さらに、経管栄養を受ける高齢者で下痢を繰り返す者に対し、下剤内服量の減量と、経管栄養剤の半固形化による下痢の改善を試みた。事例は、くも膜下出血後後遺症により認知機能障害、嚥下障害、四肢麻痺等が出現し、胃瘻を造設し、寝たきりの状態の70歳代女性である。大腸刺激性下剤を毎日内服し、3日毎に下痢し、下腹部から腰背部までの汚染される状態であった。そのため、便汚染による尿路感染症を繰り返しバルンカテーテルが挿入されていた。まず、下剤投与は3日毎とし、3日目に排便がない場合は浣腸した。経管栄養剤は、今までの液状栄養剤に増粘剤を大匙2杯加えて半固形化し、カテーテルチップによる注入に変更した。その結果、開始2日目の朝に少量の水様便を認め、午後に浣腸し片手量の軟便を排便した。以降3日毎に片手~両手量の軟便を認め、広範囲の便汚染が消失したため、6日目にバルンカテーテルを抜去することができた。
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Research Products
(2 results)