2014 Fiscal Year Research-status Report
日中独居高齢者を支える男性介護者の仕事と介護の両立のためのセルフマネジメント
Project/Area Number |
26861961
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
深山 華織 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (40613782)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日中独居高齢者 / 男性介護者 / 就労 / セルフマネジメント / 訪問看護 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,わが国では要介護高齢者が増加する一方で,世帯構造の変化が起こり,要介護高齢者と同居している家族世帯の介護力は脆弱となっている.介護者は男女ともに60歳以上の割合が約5割を占めており,有業率は男性65.3%,女性44.9%である(平成24年就業構造基本調査)ことが示されている.また,男性介護者の割合は年々増加しており(平成22年国民生活基礎調査),就労継続が問題になることが予測される.特に男性介護者は心身の健康に対する主観的健康感が低く,回避型コーピングをとらない傾向にあると言われている. 一方,就労しながら要介護高齢者を支える同居家族の存在は,日中ひとりで過ごす要護高齢者(以下,日中独居高齢者)が存在することになる.先行研究から,日中独居高齢者は,自身の健康障害による療養生活上の様々な問題や不安を抱えており支援を必要としている. これらの背景から,同居家族の就労により日中独居で過ごす要介護高齢者と,就労しながら介護を行っている家族の双方が自身の生活を維持していくための支援のあり方について検討していくことが必要である. そこで本研究では,日中独居の要介護高齢者を支える男性介護者の仕事と介護の両立のためのセルフマネジメントについて明らかにすることを目的とした. 今年度は研究対象者の選定のため、訪問看護ステーションの管理者に研究依頼を行った。同意が得られた訪問看護ステーションの管理者から紹介を受けた研究対象者3名に面接調査を実施した。 就労しながら介護を行っている男性介護者は,要介護高齢者の身体変調や生活の継続における困難を感じているが,それらの困難を解決するために自身で知識を身につけ,生活上の工夫を行い,他者に相談するなどを行っていた.また男性介護者は就労することが気分転換となり,介護継続への意欲や要介護高齢者との良好な関係の維持につながると考えていることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は研究対象者の選定のため,訪問看護ステーションの管理者に研究依頼を行った.同意が得られた訪問看護ステーションの管理者から紹介を受けた研究対象者3名に面接調査を実施し,データを得た。 しかし,今年度は7名程度の対象者に面接調査を行う予定であり,当初の予定よりやや遅れている。 その理由として,本研究の対象者は就労しながら介護を行っている男性介護者であり,対象者の心身の負担がかかることを避け,就業日以外の日程で研究依頼および面接調査を行う必要があるため,研究対象者への研究依頼および面接調査の日程調整に時間を要していることが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,本研究において以下の計画で進めていく。 ①研究対象者への面接調査を進めながら,同時に面接の録音記録から逐語録を作成し,分析を進めていく. ②データの分析過程において,研究の信頼性・妥当性を高めるため,在宅看護学領域の専門家からスーパーバイズを受ける. ③本研究において得られた成果について,学術学会や学会誌への投稿にて発表し,広く意見・評価を得る.
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Causes of Carryover |
研究対象者への面接調査が当初の予定より遅れているため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究対象者への面接調査に伴う謝金や旅費,データ分析に伴う消耗品・関連図書の購入や資料収集等に使用する.
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