2015 Fiscal Year Research-status Report
日中独居高齢者を支える男性介護者の仕事と介護の両立のためのセルフマネジメント
Project/Area Number |
26861961
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
深山 華織 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (40613782)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日中独居高齢者 / 男性介護者 / 就労 / セルフマネジメント / 訪問看護 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,わが国の要介護高齢者数は急速に増加している一方で,家族の介護・看護のために離職する者が増加し社会的問題となっている.先行研究から,就労しながら介護を行っている女性は,要介護高齢者が日中ひとりで過ごすことによって起こり得る事故などの問題について心配しているが,仕事と介護を両立するためのセルフマネジメントを行い安心感を得ていた.一方で,男性介護者は心身の健康に対する主観的健康感が低く,回避型コーピングをとらない傾向があると言われている. そこで本研究では,就労しながら日中独居の要介護高齢者を支える男性介護者の仕事と介護の両立のためのセルフマネジメントについて明らかにすることを目的とした. 平成27~28年度で,研究協力に同意が得られた訪問看護ステーションから紹介を受け,研究対象者9名に面接調査を実施した. 男性介護者は,要介護高齢者への介護に対する疲労感や将来への不安を感じながらも,仕事を経済的な側面だけでなく,社会的役割を担うためにも継続することに意義を感じていた.しかし,男性介護者は女性介護者と比較して,要介護高齢者の身体の変調や生活などにおける困難や不安について,自分自身で知識を身につけ解決しようとする者が多く,他者へ援助を求めることが少ない傾向が見られた. 今後は,研究対象者への面接調査によるデータ数を増やし,分析を深めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は,平成27年度に引き続き,研究協力の得られた訪問看護ステーションから紹介を受け,研究対象者に面接調査を実施し,データを得た. 現在,9名の研究対象者との面接調査によるデータが得られたが,研究の質を高めるため,データを増やす必要があり,当初の予定よりやや遅れている. その理由として,本研究の対象者は就労しながら介護を行っている男性介護者であり,対象者の心身に負担がかかることを避け,就労日以外の日程で研究依頼および面接調査を行う必要があるため,データ収集に時間を要していることが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は最終年度であり,以下のとおり計画的に研究を進めていく. ①研究対象者への面接調査によるデータ収集を進めながら,同時に面接の録音記録から逐語録を作成し,分析を進めていく. ②データの分析過程において,研究の信頼性・妥当性を高めるために,在宅看護学領域の専門家からスーパーバイズを受ける. ③本研究において得られた成果について,学術学会や学会誌への投稿にて発表し,広く意見・評価を得る.
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Causes of Carryover |
研究対象者への面接調査によるデータ収集が当初の予定より遅れているため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究対象者への面接調査に伴う謝金や旅費,逐語録作成に伴う経費,データ分析に伴う消耗品・関連図書の購入,研究成果の発表に伴う旅費等に使用する.
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