2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26861962
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Research Institution | St. Catherine University |
Principal Investigator |
小西 円 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 非常勤講師 (30616131)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 施設高齢者 / 仮眠 / 睡眠 / 車いす / 介護施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
継続した研究の中で、老人保健施設入所高齢者(以下、入所者)の仮眠時間には個人差が大きいことが明らかになった。そのため、個々人の日中の車いす座位時間と座位での睡眠時間について日中の活動を踏まえながら明らかにした。 対象者は日中車いすを使用している7名とした。対象者1名あたり連続3日間、11~17時まで10分毎の目視による非参与型観察を観察者2名で行い、対象者の廊下や共有スペースの様子を観察した。また、アクチグラフを対象者の非利き手に1日24時間、連続3日間装着した。対象者の姿勢と行為について姿勢は座位か臥位、行為は飲食、排泄、移動、会話、テレビ視聴、リハビリテーション、手伝い、催しのうち対象者が行った行為の有無とした。また、アクチグラフで身体活動量を測定した。基礎情報は性別、年齢、N式老年者用精神状態尺度、BarthelIndex、眠剤使用の有無とした。 姿勢は臥位を0、座位を1として、行為はそれぞれの行為なし0、行為あり1として分析に用いた。身体活動量は、専用分析ソフトを用い1分毎のsleep/wakeを確認し、前後5分間以上sleepが続くものを睡眠それ以外を覚醒とし、睡眠0、覚醒1として分析に用いた。そしてデータを時系列に図式化し、ブロックごとに場面や会話等を記述し分析した。 本研究の結果、入所者は日中の7割程度を車いす座位で過ごし、車いす座位中の約3割は睡眠していたが、座位時間や睡眠時間は個人差があり、個人内でも変動があることが明らかになった。また、個人の移乗能力だけでなく施設環境や疲労感が座位時間や睡眠時間に大きく影響を与えていると考えられた。しかし、1日当たりの調査時間が短く調査期間も限られており、調査項目も睡眠・覚醒状況と姿勢や行為の有無のみであったため、今後は個人因子や環境因子を検討しながら、入所者の日中の車いす座位状況、行為の関連を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
入所者の日中の仮眠が夜間睡眠に与える影響は個人差が大きいことが明らかになったため、今後個々人への介入を検討している。介入にあたり対象者の選定に時間を要している。また、研究結果については現在、投稿に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、入所者に対して日中の生活の中に仮眠を導入し、夜間睡眠への影響を確認していく予定である。 また、介入研究前の実態調査の中で、入所者の夜間睡眠に影響を与える要因に個人要因のみならず施設の環境要因が大きく関与していることが分かってきた。また、入所者の睡眠に影響を及ぼす環境要因は、概日リズムに影響を及ぼす場合や睡眠そのものに影響を及ぼす場合があることも示唆された。これらについても検討を重ね、仮眠を含め入所者の睡眠を守るための介入について明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
今までの研究の投稿や介入研究の実施に至らず、研究に必要な物品の購入に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度の介入や論文投稿の際の費用に充てたい。
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