2014 Fiscal Year Research-status Report
うつ病患者の看護師との対話場面における沈黙の意味の検討
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26861963
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
増満 誠 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (10381188)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 沈黙 / うつ病 / 看護師 / 対話場面 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である本年度は、研究の第 1 段階として、国内外の文献からうつ病患者の経験する沈黙や看護者との対話場面 における相互作用に関する資料を収集・整理し概念枠組みを構築することを研究計画としていた。キーワードである「沈黙」「うつ病」「看護師」「対話場面」を用い文献検索を行った。看護学分野におけるうつ病患者との対話場面における沈黙の意味に関しては先行研究がなく、研究者の統合失調症患者の看護師との対話場面における沈黙の意味を参考に、近接する諸科学分野における沈黙の意味やうつ病患者の理解など本研究テーマに関する資料を収集した。統合失調症患者の看護師との対話場面における沈黙の意味としては「意思を表示するための沈黙」「思考や表現を模索している沈黙」「相手に主導権を委ねる沈黙」「一歩踏み出せないための沈黙」「不安のための沈黙」「取り残された感覚の沈黙」「精神症状・薬の副作用による沈黙」「興味関心がないことによる沈黙」「良好な関係性による心地よい沈黙」「固定観念や関係性がないための居心地の悪い沈黙」が挙げられており、これらに対してうつ病の症状の特異性などを踏まえて資料を収集し概念枠組みの構築を目指している。資料収集はいまだ不十分なところもあり概念枠組みの構築には至っていないが、今後は現段階の概念枠組みを用いインタビュー調査を行いながら沈黙の意味の概念モデルを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度である本年度は、研究の第 1 段階として、国内外の文献からうつ病患者の経験する沈黙や看護者との対話場面における相互作用に関する資料を収集整理し概念枠組みを構築することであった。実績の概要に述べた通り、概念枠組みの構築には至っていない。しかしながら、看護学分野では先行研究がないことを勘案し、研究者の先行研究や現段階の概念枠組みを用い、インタビュー調査を行っていく。そして、患者からの語りを分析していくことで概念モデルの完成を目指すことが可能となる。そのためやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にやや遅れをきたしてはいるものの、前述の通りインタビュー調査実施の準備を進めていく。本年度作成した現段階の概念枠組みから研究仮説を立て、インタビューガイドを作成する。また、研究倫理委員会への審査申請を行い、同時に研究協力施設の選定と依頼を行う。審査承認後直ちに対象への研究協力参加依頼と同意を得た後インタビュー調査を開始する。そして分析を進めながら概念モデルの作成を目指す。また、引き続き近接諸科学より参考になる資料を収集整理しながら分析の視点や考察を深めていく。これらを推進することで、当初計画である研究の第2段階への移行と計画通りの遂行が可能となる。
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Causes of Carryover |
3月執行の物品費(書籍・雑誌)に関して、絶版のため予定の書籍が購入できず他の書籍(雑誌)に変更したためその差額の434円の余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に引き続き関連書籍の購入、研究内容に関連する学会や研修会参加、及び今年度より研究依頼や調査のための旅費、研究協力者への謝礼、研究に必要なICレコーダーなどの物品の購入に使用する予定である。
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