2014 Fiscal Year Research-status Report
術後せん妄発症予測スケールの臨床妥当性・実用性の検討
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26861969
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原沢 のぞみ 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (10623077)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | せん妄 / 高齢者看護 / 脳神経外科 / 周手術期看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまで開発してきた術後せん妄予測スケールの妥当性の検証を行うため、開発時のデータを用いて予測スケールの妥当性について再検討した。その結果、スケール開発時のせん妄発症要因に関して、統計的に因子構造を確認したところ、Lipowskiにより提唱された準備因子、促進因子、誘発因子の因子構造と同様の結果が得られた。このことから、せん妄の要因を3つの因子に分類して検討することの妥当性および、抽出された5つの予測スケール項目の妥当性について確認できた。 また、予測スケールのさらなる妥当性の検証のため、調査対象の規模を拡大するにあたり、まずは脳神経外科病棟における術後せん妄発症状況およびせん妄ケアの実態調査の必要性があると考えた。文献検討の結果、クリティカルケア領域において、200施設を対象とした質問紙調査はあったものの、今回対象としている脳神経外科領域は含まれていず、また他に全国規模の実態調査が行われていないことを確認した。 よって第1段階の調査として全国規模でせん妄の発症状況およびケア実態について、質問紙調査を実施することとした。調査対象は、全国の包括医療費支払い制度(DPC)実施および準備病院において、2013年度に10件以上の脳神経外科手術実績のある753施設である。質問紙の内容は、施設概要、看護体制、患者概要、せん妄発生状況、ケア状況、術後せん妄予測スケールの妥当性に関する27項目である。質問紙への回答は対象施設の看護管理者へ依頼する。質問項目の一つに、研究者らが考案した術後せん妄予測スケールを添付し、その表面妥当性を問うと同時に、予測スケールの病棟での使用および患者への調査協力依頼への回答を、別途返信用はがきを準備し依頼する予定である。なお、現在質問紙調査に関しては倫理審査申請中であり、承認が得られ次第データ収取を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全国調査の実施が初年度内に終了する予定としていたが、文献検討や、同時進行で予測スケールの妥当性の検証準備を進めており、調査の実施時期等に関して計画の見直し作業が必要となり、全国調査の実施が次年度にまたがった。
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Strategy for Future Research Activity |
全国調査を実施し、予測スケールを用いた患者への調査に協力が得られる施設の募集を実施し、入院患者への予測スケールを用いた術後せん妄スクリーニングを実施していく。 また、同時に、脳神経外科領域における妥当性の検証のほか、循環器外科における調査も準備をすすめており、実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
全国への質問紙調査の実施時期が変更となったことにより、次年度の調査費として使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、全国調査の結果から、せん妄予測スケールを用いた調査を実施する予定であり、施設への交通費、旅費が発生する。また、協力施設、看護師への謝金や質問紙調査に伴うデータ整理などの人件費が発生する予定としている。
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