2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Study of Validity and Practicability for Postoperative Delirium Predictive Scale
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26861969
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原沢 のぞみ 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (10623077)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳血管疾患 / 術後せん妄 / 予測スケール / 妥当性検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は術後せん妄発症予測スケールを脳血管疾患者への適用について確認を行うため、協力施設の脳神経外科病棟において、調査を実施した。 協力施設の概要は、首都圏にある約500床を有する総合医療センターで、急性期医療をになう医療施設であり、看護職員数は約520名の施設である。調査協力病棟は、脳神経外科・脳神経内科・耳鼻科の35床を有する混合病棟であり、そのうち85%は脳外科患者が占めている。看護スタッフの概要はスタッフ数29名、看護師の平均年齢は30.5歳、看護師経験年数は平均8.4年、脳外科における経験年数は2.8年であった。 調査期間は、2018年12月~2019年3月とし、その間に脳血管疾患により手術を受ける予定で入院をした患者を対象に、調査を実施した。今回分析対象となったケースは13件であり、男性9名、女性4名、平均年齢は69.1歳であった。術式では、内頚動脈内膜剥離術3例、バイパス術7件、クリッピング術3件であった。せん妄は、DRSにて術後3日間評価を行った。そのうち、せん妄を発症したのは4例(30.8%)であった。予測スケール得点は、せん妄有群13.75点、せん妄無群9.44点であった。以下、せん妄有群VSせん妄無群で、年齢75.0歳vs66.4歳、BUN/Cr18.35vs20.58、HADS不安得点3.75点vs3.56点、HADSうつ得点6.25点vs4.44点、手術時間229.3分vs169.0分、出血量237.5mlvs43.3ml、術前日数1.5日vs3.6日、術後退院までの日数19.7日vs8.9日であった。今回、いずれの比較においてもサンプル数不足により、統計的有意差が認められなかったが、せん妄の発症には、高年齢であること、うつ傾向があること、手術時間が長く、出血量が多いことなどが関連している可能性が考えられた。今後もケースを増やすことが課題である。
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