2014 Fiscal Year Research-status Report
在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートを活用した支援モデルの構築
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26861978
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
安武 綾 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (40366464)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 家族 / 介護者 / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究の目的は、在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートを測定する尺度の開発である。 研究責任者が質的記述的研究方法により明らかにした「在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートの具体的な内容」の結果から、在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートの概念枠組みを明らかにし、質問項目を作成し予備調査を実施した。 予備調査は,(1)全国の通所介護事業所に登録されている認知症高齢者を主に介護している家族,(2)病院の物忘れ外来を受診する認知症高齢者を主に介護している家族,(3)国内の家族会を利用している家族を対象に実施した。予備調査実施に関する協力を依頼した総計382名の対象者のうち、127名から回答が得られた(回収率33%)。 予備調査の結果から、質問項目を精選した後、(1)全国の通所介護事業所に登録されている認知症高齢者を主に介護している家族,(2)病院の物忘れ外来を受診する認知症高齢者を主に介護している家族,(3)国内の家族会を利用している家族を対象に、本調査を実施した。なお、本調査の在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートの関連要因としては、著作者から使用許諾を得ることができた、1.QOL(SF-8スタンダード版1ヶ月),2.介護負担感(Zarit介護負担尺度日本語版短縮版(J-ZBI_8))を用い実施した。 現在,本調査の質問紙調査結果のデータ入力段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究目的であった「在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートを測定する尺度の開発」は、本調査の実施までは進展しているため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、1) ①全国の認知症対応型通所介護事業所から無作為抽出した事業所に通所する認知症高齢者の家族(300名)②もの忘れ外来に通院する認知症高齢者の家族(30名)③認知症家族会の家族(20名)を対象に,家族介護者のQOL,介護負担感,抑うつ状態を従属変数とし,平成26年度に作成した「認知症高齢者の家族介護者のソーシャルサポート尺度」と以下の測定用具を用いて,在宅認知症高齢者を介護する家族のソーシャルサポートとの関連を明らかにする予定である。①QOL(SF-8スタンダード版1ヶ月)②介護負担感(Zarit介護負担尺度日本語版短縮版(J-ZBI_8))③抑うつ状態(GDS-15(Geriatric Depression Scale)) それぞれの従属変数の測定用具は以下の尺度を用いる予定であったが、使用許諾を得られたのは①②のみであったため、①②のみの使用とし、①のQOL尺度を用いて、家族の健康状態を分析することで対応する。なお,質問紙調査結果は,ノートパソコンへのデータ入力の効率を上げるために,研究補助の協力を得る予定である
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Causes of Carryover |
質問紙調査を個別に郵送で実施する予定だったが、まとめて郵送可能な事業所があったため一部の郵送料を削除できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査用紙のデータ入力のための費用として使用する予定である。
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