2015 Fiscal Year Research-status Report
誤嚥性肺炎を予防する看護介入のエビデンス構築:次世代型双生児研究法の創出
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26861983
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
大村 佳代子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (30722839)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 公衆衛生看護学 / 地域看護学 / 在宅看護学 / 嚥下機能 / 肺炎予防 / 双生児研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会において、病状が重症化しやすく長期化しやすい高齢者の健康や人生の質(Quality of Life, QoL)を維持するためには、誤嚥性肺炎の原因となる嚥下障害に対する予防的な看護介入が重要である。本研究では、嚥下機能障害に対する効果的な看護介入に関するエビデンス(科学的根拠)を実証的に確認するために、下記に取り組んだ。 第一に、適切なアウトカム指標の選択のために、双生児研究法を用いて、各指標における遺伝・環境要因構造を検討し、適切なアウトカム指標の選択に資する検討を行った。 第二に、スクリーニング尺度における遺伝環境構造を分析した。自記式の主観的データと、血液検査や反復嚥下テストなどの客観的データとの遺伝的交絡の有無を検討した。 第三には、実際の環境要因を示す観察項目が、嚥下機能に影響しているのかを分析した。 第四には、嚥下リハビリテーション(上半身の運動療法)を双生児の対象者に実施してもらい、遺伝的な交絡を考慮しても介入効果があるかどうかを調査し分析に当たった。 2年目に当たる今年度は、主に第四段階の調査を回収した。さらに、第一から三段階の分析・研究成果の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に当たる今年度は、第四段階の嚥下リハビリテーションの介入調査を実施した。嚥下機能の運動リハビリテーションの調査に関する質問紙を62組124名の方へ郵送し、88名より回答を得、データ入力を完了した。研究成果については、第1から3段階の研究成果について、日本公衆衛生学会、日本双生児研究学会に発表し、おおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は主に、得られた結果の分析と研究成果の論文投稿に力を入れる予定にしており、調査から携わっている研究員らと引き続き協力しながら、第一~四段階すべての段階における研究成果を学会発表や投稿論文として発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に参加を予定していた国際学会へは、サンプル数が充分ではなく発表テーマを変更したため、本研究費を使用せずに参加した。そのため当該旅費分が節約された。今年度は、初年度の繰越予算を引き継いだ。今年度予算はほぼ予定通りに使用し、初年度の余剰分をそのまま引き継ぐ形で次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査自体は実施完了しているため、次年度は残りの分析を行い、研究成果を投稿論文として国内外の学術雑誌に投稿する。そのために必要な英文校正の費用や、投稿にかかる費用などに使用することを計画している。また今回の調査で得られた結果を再度確認し、今回の研究テーマ以外でも副次的なテーマが考えられる場合には、そのデータについても分析し、論文にまとめていきたい。
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Research Products
(7 results)