ケニアにおける地域の食文化と環境に根ざした看護職主導の栄養改善プログラムの開発

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26861984
• Research Institution: Nagasaki University
• Principal Investigator: 田中 準一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (80718990)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 慢性栄養失調（低身長） / 貧血 / 食事パターン / 栄養 / 看護師 / 看護職 / 国際保健

Outline of Annual Research Achievements

本研究の調査対象地域である東ケニアの辺縁地域には、5歳未満児の貧血が46％程度、慢性的低栄養状態により低身長を呈する子供が35％程度存在することがこれまでの調査から明らかになっている。本研究の目的は、出生時から満2歳までを追跡する出生コホートを展開し、1) 地産地消の食品を使用した好ましい食事パターンを特定し、2) その食事パターンを食事指導のベースとした看護職主導の栄養改善プログラムを開発することである。同時に、3) 開発した栄養改善プログラムの介入効果を明らかにすることを目的としている。平成26年度は、ケニア国内での調査許可を得るための倫理審査申請を行い、Kenya Medical Research Institute (KEMRI SSC No.2820)、長崎大学熱帯医学研究所（承認番号 140227120）にて承認が得られた。また、調査地域の選定および対象者の初期登録を行い、長期追跡のための調査基盤を構築した。同時に、栄養調査にかかる食事摂取頻度調査票を新たに作成、スマートフォンで動作するデータ収集プログラムを開発し、予備調査を実施した。平成28年度は、平成27年度に引き続き、食事摂取頻度調査を1回実施し、食事パターンを特定するためのデータ収集を行った。対象者の身体測定（身長・体重）、ヘモグロビン値、寄生虫感染の有無、社会経済状況に関する調査もあわせて実施した。また、平成27年度に24時間思い出し法で収集したデータを、データベース化する作業を並行して実施している。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

24時間思い出し法で収集したデータを、データベース化する作業が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は、平成27・28年度に収集したデータをもとに食事摂取頻度調査票の妥当性研究および食事パターン解析を実施し、研究成果の公表を目指す。また、引き続き対象者に対する追跡調査を実施し、最終年度の成果公表を目指す。

Causes of Carryover

健康上の理由で平成28年度に計画していた調査地(ケニア)への渡航ができなかったため

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度は、8月に計画している調査にかかる費用（渡航費、人件費等）に使用する予定である。