2018 Fiscal Year Research-status Report
限界集落で暮らし続ける独居高齢者を支える要因の検討
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26861989
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
村上 佳栄子 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (30584867)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 限界集落 / コミュニティ / 独居高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、わが国では少子・高齢化が進展し、人口減少社会、過疎化によるコミュニティ機能の衰退が指摘されている。特に社会共同生活の維持を困難とする限界集落の支援のあり方が問われており、高齢者における最も重要な健康課題である。先行研究から示唆されてきた限界集落におけるコミュニティのあり方について着目したい。コミュニティとしての機能を維持・再生することは、住民の生を身体的・精神的・社会的に支えることにつながると考える。特に限界集落におけるコミュニティの機能が消滅に近づく一方で、先行研究のなかでコミュニティのなかで培ってきた住民の生きる力が示唆されてきた。そのことを踏まえて実践へのサジェスチョンにつながる支援のあり方を見出すことが必要である。 本研究は、平成22-25年度に実施した科学研究費(「限界集落における独居高齢者の生と暮らしの持続可能性の探索(研究活動スタート支援)」「限界集落で暮らし続ける独居高齢者の強さとその意味(若手研究B)」)による予備調査にて先行研究で得られた関連要因を用い、信頼性および妥当性について検証することを目的とする。さらに限界集落で暮らし続ける独居高齢者の生を支えるプロセスをコミュニティの関連に着目し、住民の生きる力につながる支援の在り方に新たな見解を得ることを目的とする。 今後は、調査に先立ち先行研究による関連要因を再度検証し、理論を生成したうえで調査項目の作成を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度から平成30年度の期間、研究代表者は休職していたため、研究を中断せざるを得なくなった。また研究を進めていく上で当初予定をしていた調査を実施するにあたり、調査項目を検討するための尺度開発が必要となる。そのためにも本研究につなげる課題を明確にする目的で調査項目の基盤となる先行研究の成果を精査し、概念を明確にすることが求められた。以上のことから、当初の予定より変更する必要性があったため、研究課題の進歩状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度より研究を再開し、調査に先立ち先行研究による関連要因を再度検証し、理論を生成したうえで調査項目の検討を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度に、データ収集の調査を実施する予定だったが、一時期研究の中断をせざるを得なかったことと、調査方法の調整および質問紙項目の検討が必要であったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 基礎データを補完するための調査を行う際の旅費、研究参加者への謝礼及び物品費の購入等に使用する。また学会発表、研究会及び学会参加等における旅費、諸費が主な経費に充てることとしたい。
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