2014 Fiscal Year Research-status Report
飲食店の受動喫煙防止対策実施状況を明らかにする評価ツールの開発
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26861992
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
馬醫 世志子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (10458474)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 受動喫煙 / 分煙 / 飲食店 / PM2.5 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は飲食店の受動喫煙防止対策実施状況を明らかにする評価ツールの開発を4年間で行う予定の研究である。初年度である平成26年度は飲食店の受動喫煙に関する情報整理と受動喫煙防止に有用な環境測定機器の検討を行った。 情報整理では、先行研究や全国の自治体の調査報告書等を用いて、我が国での飲食店の受動喫煙防止対策実施状況をまとめた。多くの自治体が実施状況とその理由、喫煙状況表示用のステッカー等について報告しており、今後の評価項目設定の参考となるデータ収集方法や実施状況のカテゴリ化についての情報を得た。また、本研究ではインターネット上で飲食店の受動喫煙防止対策実施状況をわかりやすく表示することを検討しているが、飲食店の検索サイトでは現時点でどのように表示されているかについても情報をまとめた。多くのサイトで分煙について「分煙」「一部喫煙可」「禁煙席あり」「喫煙席あり」等と表記されているが、フロア分煙なのか、時間帯禁煙なのか、どの程度タバコ煙に暴露する可能性があるのか等が明確でない表記となっていた。将来的にはこういった飲食店の検索サイトへの働きかけも視野に入れていきたい。受動喫煙に関する関連法規については国内外の情報をまとめた。 受動喫煙防止に有用な環境測定機器の検討については、粉塵計・風速計・臭気測定器・PM2.5測定器・TVOC測定器についてデモ機等を用いて検討した。最終的に飲食店経営者自身が評価できる評価ツールの開発を目指していることもあり、使用方法が簡便で測定結果を分析しやすい粉塵計・風速計・PM2.5測定器を購入し、分煙の飲食店と完全禁煙の飲食店で測定を実施した。測定日時や喫煙客数/本数により、結果がかなり変動するため、測定結果をどのように評価項目に取り入れるかを現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画は①飲食店の受動喫煙に関する情報整理、②受動喫煙が起こる物理的要因の抽出、③ ①②の結果を用いた飲食店の受動喫煙防止対策実施状況を細かく査定できる評価項目のベースの作成、④県内の受動喫煙に関わる行政機関の担当者との連携であった。 ①情報整理については概ね終了しているが、評価項目の作成上、どの環境測定機器を用いるかが重要となったため、研究2年目に予定していた環境測定機器の検討と測定機器の使い勝手の検討を初年度に行い、その他②③の計画は次年度に繰り越すこととなった。効率的に研究を進めるため、④行政機関との連携は評価項目のベース作成後に行うこととした。 当初の計画とは実施順序が異なるが、次年度の研究内容を本年度実施しているため、達成度は「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目に当たる平成27年度は、受動喫煙が起こる物理的要因(分煙システム、喫煙スペース、換気扇の位置等)の抽出を引き続き行い、初年度の結果と合わせて、飲食店の受動喫煙防止対策実施状況を細かく査定できる評価項目のベースを作成する。評価項目は専門家のスーパーバイスを受けながら作成する。完成後、県内の受動喫煙防止対策に関わる担当者に協力を得られるよう働きかけ、飲食店への協力を依頼する方法を検討する。 その後、評価ツールの使用マニュアルを作成し、実態調査のプレテストを行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究費申請時には、評価項目について専門家のスーパーバイズを得るため、旅費と謝金を平成26年度に計上していたが、評価項目の作成を平成27年度に変更したため、スパーバイズについても平成27年度に変更する。また、環境測定機器を当初の計画よりも安価で購入できたため、その分を実態調査研究協力者への謝金や通信費として使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は平成26年度の研究費残額と平成27年度の研究費の合計約1,334,288円を使用する予定である。その内訳は以下の通りである。 物品費(資料整理・調査用文具、印刷費等)244,288円、旅費(スーパーバイズ、研究協力者との打合せ)240,000円、人件費・謝金(評価者トレーニング、スーパーバイズ等)250,000円、その他(郵送費、会議費等)600,000円、計1,334,288円。
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