2016 Fiscal Year Research-status Report
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26861994
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
望月 由紀子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (70440253)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 産業看護 / アセスメント / 抑うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
職域で抑うつ労働者を支援するためには、医療職はもちろんのこと、医療職ではない職場の上司や関係機関と連携することで問題が解決したり、職場環境を含めた多様な視点から対象者の健康状態をアセスメントして、必要な支援の方向性を見立てることができる。 そのため、今年度は、抑うつ労働者に対する産業看護職の情報収集項目とアセスメントの特徴の分析を整理した。対象は、産業看護職13名であった。産業看護職の経験年数は、5~9年が1名、10~14年が3名、15~19名が1名、20~24名が5名、25名以上が3名で範囲は8~26年、平均産業保健経験年数は19.0年であった。産業看護職の情報収集項目は、<身体的症状><行動の障害><感情の障害><認知の特性><継続状況><日常生活での状況><家族の状況><組織の特性><職業生活での状況><キャリア形成><サポートの状況><緊急性の状況>の12のカテゴリーに整理できた。アセスメントの特徴は、<困っている問題を捜す><日常生活に結び付けて客観的に判断する><物事に対する価値判断を見立てる><健康に影響する組織特性を見極める><上司への相談の必要性を査定する><家族の関係性を見定める>の6カテゴリ―に整理できた。先行研究では、抑うつを引き起こす原因として、出来事や自分自身を極端に悲観的・否定的にゆがめて捉える認知の歪みが一要因であることが報告されている。本研究でも、<物事に対する価値判断を見立てる>特徴が導き出された。職場には、様々な人材や職場環境に対して、その人の問題の捉え方や受け入れ方が影響されることをアセスメントしていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者の異動等があったため、研究が遅れて1年間の延長している。今年度が最終年度となるためこれまでの研究成果の公表と遅れている研究計画を遂行させていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究計画としては、産業看護職の抑うつ労働者のアセスメントの特徴を加味すると、産業看護職の抑うつ労働者へのアセスメントの特徴として、抑うつ労働者は、組織のなかで問題となる点を日常生活や職場環境をアセスメントしながら対象を理解していた。そのため、今年度は得られたデータから整理し計画を変更して、まずは抑うつ労働者を捉える上で、どのような職場環境をどのようにアセスメントするのかの具体的な内容を明確化させる。
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Causes of Carryover |
これまで明らかになった研究成果の公表と研究継続を行うために、1年間の延長が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに計上してある費用から、研究成果の公表として論文投稿や学会発表に関する費用、分析に関する費用を予算から使用する。研究の計画としては、アセスメントツールの基盤となる要素を抽出していく。
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