2016 Fiscal Year Research-status Report
接客・サービス業に従事する労働者に対する感染症予防教育のガイドラインの構築
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26861998
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐藤 祐佳 久留米大学, 医学部, 講師 (40368965)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感染症危機管理 / リスクマネージメント / 衛生環境 / 感染症予防教育 / 新型インフルエンザ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、ホテル・旅館の衛生環境の実態を把握するため平成27年度に引き続き衛生環境調査を実施した。調査の実施にあたり調査協力を求め、1施設の協力を得た。 衛生環境調査は、従業員や利用者が接触する機会が多いと考えられる高頻度接触表面をATP+AMP拭き取り検査器(キッコーマンルミテスターPD-20)を使用した。交差感染リスクは、平均値が5000RLUを超えてる箇所を汚染箇所として評価した。 現状の環境整備で、2施設に共通して交叉感染リスクが高い箇所は、階段の手すり(6000~12000RLU)、従業員用エレベータ(内側ボタン・外側ボタン)(5000~60000RLU)、引き戸の取っ手(食事場所)(6000~20000RLU)であった。このことは、客室などの個人スペースではなく公共のスペースとなっており、常時、従業員や利用者が接触していることが明らかとなった。このことから、衛生環境を保持するための清掃方法等の検討が必要であると考える。 また、平成28年度に実施した感染症予防教育(参加者43名)についての実施後のフォローも終了した。教育後のアンケートの結果、感染症についての知識の習得が得られており、6か月後の調査においても感染症に対する知識の低下はみられなかった。参加者のうち感染症予防(新型インフルエンザ)の教育をこれまでに受けたことがある者は2.3%(1名)であった。感染症についてのイメージの変化等については現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度までに衛生環境調査が終了予定であったが、現時点で実施できた施設は2施設、感染症予防教育の実施は1施設であり、新型インフルエンザ対策の検討を行う上ではサンプル数が不足していると考える。そのため旅館・ホテルに共通したリスクを検討するためにも、より多くの施設での衛生環境調査の実施が必要であると考えるため。また、旅館・ホテルに従事する従業員の現状やニーズを把握するためにも、感染症予防教育への協力施設を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の取り組みとしては、平成26年度質問紙調査対象施設に対して、再度調査依頼を行う。また郵送での依頼を行った後に、電話等にて再度依頼し協力を得られるように努める。また、新型インフルエンザ対策を検討するにあたり、衛生環境調査の結果内容を感染症に関わる専門家にスーパーバイザーとしてアドバイスを受けて、現状の分析・課題について分析を進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度までに衛生環境調査が終了予定であったが、現時点で実施できた施設は2施設、感染症予防教育の実施は1施設であり、必要としている調査施設数(3~5)が確保できなかった。調査協力のためホテル・旅館業の団体をとおして依頼や協力を募ってはいるが、 衛生環境調査の実施期間が協力施設と合わせることができず、調査における旅費や物品購入が行えておらず次年度の使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の取り組みとしては、平成26年度質問紙調査対象施設に対して、再度調査依頼を行う。また郵送での依頼を行った後に、電話等にて再度依頼し協力を得られるように努める。衛生環境調査の実施期間の見直しを行い、協力施設の要望に応じた対応ができるように努め、施設の確保に努めていく。
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Research Products
(1 results)