2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Lifestyle Improvement Program to Prevent Urinary Incontinence for Middle-Aged and Elderly Women
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26861999
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
西村 和美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (20535033)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中高年女性 / 尿失禁 / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、地域在住の中高年女性を対象とした調査結果より、尿失禁予防のためのプログラムを開発した。全国の40~74歳の中高年女性1000名を対象とした生活習慣に関する横断調査と、平成28年度実施した本研究の基礎調査の結果より、中高年女性において尿失禁の種類は「腹圧性尿失禁」26.6%で、症状の頻度は「週に1回」、量は「下着にしみがつく程度」が最も多かったことから、地域在住の中高年女性では尿失禁の症状は軽度の方が多いことが明らかになった。しかし、調査結果では尿失禁症状が軽度であってもQOLが低下していた。腹圧性尿失禁は、これまでの先行研究から「骨盤底筋訓練」の有効性が証明されている。しかし、地域在住の中高年女性の尿失禁症状は軽度であることから、泌尿器科や婦人科等の受診につながりにくい。そのため、尿失禁のリスク要因である肥満を改善することで、尿失禁予防につながると考えた。そこで、尿失禁と生活習慣との関連を調査した結果より、有意差は4項目「塩分摂取過剰」(オッズ比1.63)、「睡眠時間6時間未満・8時間以上」(オッズ比1.15)、「糖尿病の既往」(オッズ比3.56)、「肥満」(オッズ比2.26)であった。しかし、尿失禁症状有無群で内臓脂肪度を比較した結果、有意差はみられなかった。そのため、「尿失禁予防のための内臓脂肪型肥満改善プログラム」から「尿失禁予防のための生活習慣改善プログラム」に変更し、有意差があった食生活と睡眠に焦点を当てた生活習慣改善プログラムを開発した。その他、海外の先行研究より、骨盤底筋強化を目的としたヨガにおいて、尿失禁症状の改善につながったとの報告より、減塩指導を中心とした食生活改善とヨガを併用したプログラムが有効であると考えた。今回尿失禁予防のための生活習慣改善プログラムを開発したが、今後はヨガの有効性を含めてプログラムの有効性を検証していく必要がある。
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