2016 Fiscal Year Annual Research Report
A social philosophical study on "functionalist geography of bodies"
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26870001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
見附 陽介 北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (10584360)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会身体論 / 空間の社会的構築 / 障害学 / 倫理学 / 社会哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年11月6日に開催された障害学会第13回大会(於:東京家政大学板橋キャンパス)にて、「障害をめぐるモダニズムとポストモダニズム」という題目で研究発表を行った。これは平成28年度の研究計画における「空間の社会的構築と身体の関係」についての研究を実施した成果として発表された。社会空間の構築とモダニズム建築に見出される産業規範との関係を研究したものであり、本研究課題をさらに次のテーマへと繋げる意味を持つ。 また平成28年に出版された障害学会の年報『障害学研究』11号には、論文「社会的排除と身体制度――「障害の社会的構成」に関するもう一つの視点について」が掲載された。これもやはり社会的に構築された空間と身体の関係を、とくに機能主義的社会学の観点から考察したものである。従来、障害の問題に関する構築主義は、言説と表象/イメージの関係に着目した理論として提起されてきたが、本稿ではそれとは異なる新しい視点を提起する試みがなされており、その点に重要性を有している。 同じく平成28年度には、日本倫理学会の年報『倫理学年報』第六十六集に、論文「カント倫理学における自由と身体――センのロールズ批判を手掛かりに」が掲載された。これは、やはり平成28年度の研究計画における「社会空間の規範的理念」をめぐる研究の一部をなす。先立って平成26年度の日本倫理学会第65回大会(於:一橋大学国立東キャンパス)にて行われた研究発表「自由と身体――カント倫理学の社会化に関する地理学的批判を通じて」の議論に、カントの技術論的自由論に関する分析を加えたものであり、カント的自由論の新しい展開可能性を示した点にこの論文の新規性と重要性がある。
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