2014 Fiscal Year Research-status Report
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26870038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福原 規子 東北大学, 大学病院, 講師 (10534167)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
MYC転座陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を対象に臨床病理学的解析を行い、MYC陽性19例のサブグループ解析にて高率(79%)にBACH2陽性を認められ、MYC陽性DLBCL群においてBACH2陰性群では陽性群に比して予後良好であることが明らかにした(Ichikawa et al. Cancer Science 2014)。この結果からBACH2発現がMYC転座陽性DLBCLの病態に関与していると考え、既知のB細胞リンパ腫進展に関与する各遺伝子のゲノム異常と蛋白発現について検討した。蛋白発現では、BACH2、BCL2、BCL6の相関は認められなかった。BACH2陽性群では、MYC陽性例にBCL2・BCL6遺伝子再構成は認められず、MYC陰性例ではBCL2(27%, 9/33例)・BCL6 (8%, 2/26例)遺伝子再構成を認められた。BACH2陰性群では、MYC陰性例においてBCL2遺伝子増幅が多く認められた(17% vs 6%)。さらに、MYC陽性DLBCLの一部は濾胞性リンパ腫からの形質転換例が含まれることから、濾胞性リンパ腫(n=70)におけるBACH2発現を検討したところ、BACH2発現と病理学的grade分類が相関し(grade1(47%), grade2(57%), grade3A(37%), grade3B(13%))、BCL2転座陰性例ではBACH2発現が高いことが明らかとなった(BCL2陽性群56% vs 陰性群28%)。以上より、MYC陽性DLBCLにおけるBACH2発現においてBCL2遺伝子との関連を更に検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MYC転座陽性B細胞性リンパ腫におけるBACH2発現にはBCL2遺伝子との関連が明らかとなり、DLBCLの中でも最も予後不良とされるMYC転座及びBCL2転座陽性DLBCL(double hit lymphoma)を含む解析を進めている。MYC陽性DLBCLは稀少疾患であり、その中でもBACH2発現例は2割程度とごく少数例であり、症例追加も必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に引き続きMYC陽性DLBCL追加症例のBACH2遺伝子及び周辺遺伝子のゲノム異常及び蛋白発現の解析を進めるとともに、H27年度はMYC転座及びBCL2転座陽性DLBCL(double hit lymphoma)にも着目し、濾胞性リンパ腫の形質転換例やMYC陽性例を含む希少疾患群のゲノム異常を検討していく。上記の疾患群の中で生検検体が入手可能な例において、全エクソンシークエンスによる網羅的なゲノム異常解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していたMYC陽性DLBCL症例に占めるBACH2陽性例が2割程度と少数であったため、追加症例分を次年度に解析を行うこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MYC陽性DLBCL追加症例、double hit lymphoma例、濾胞性リンパ腫形質転換例のBACH2遺伝子及び周辺遺伝子のゲノム異常及び蛋白発現の解析のために免疫染色及び染色体分析やFISH解析を継続して行う。
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