2017 Fiscal Year Annual Research Report
Hypothalamic-Pituitary-Adrenal Axis and Brain Activity in IBS
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26870039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 由佳里 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (50721453)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / ストレス / 自律神経 / 神経内分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
過敏性腸症候群(IBS)被験者32名(男性16名、女性16名)、健常者32名(男性16名、女性16名)について、被験者の直腸にポリエチレン製ビニルよりなるバロスタットバッグを挿入・留置し、無刺激、低度(20mmHg)、高度(40mmHg)大腸伸展刺激を加えた。各群をランダムに2群(各群同数)に割りつけ、CRH投与群と生理食塩水投与群にわけた。大腸進展刺激プロトコルの途中でこれらの薬剤を投与し、以後同様の大腸刺激を繰り返した。 血中ACTH, コルチゾールについて共に有意な大腸刺激×CRH×IBS交互作用を認め、更にACTHについて、性別もこれらと交互作用を認めた。CRHは交感神経系とも密接に関連することより、血中ノルアドレナリンとアドレナリンについて調べた所、有意な腸刺激×CRH×IBS交互作用があり、ノルアドレナリンは、性別についても交互作用を認めた。視床下部ー下垂体ー副腎皮質軸(HPA軸)とカテコラミンの相互関連について、共分散構造分析を用いて解析したところ、大腸強伸展刺激時の健常人のCRH投与群、IBSのプラセボ投与群において、ACTHからアドレナリンに有意関連を認めた。 CRH投与時の自律神経活動について、副交感神経活動指標で有意な腸刺激×CRH×IBS交互作用を認めた。血中ACTH, コルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリンと自律神経活動反応について、大腸強伸展刺激時の健常人CRH投与群では、血中アドレナリンと心拍数、副交感神経活動指標、交感神経活動指標それぞれについて有意関連を認めた。 以上より、IBS患者は内臓刺激時のCRH投与反応について、HPA軸やカテコラミン系の反応が異なることを見出した。
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Research Products
(4 results)