2015 Fiscal Year Research-status Report
末期がん患者の家族介護者へ対する説明と在宅療養継続に関する研究
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26870040
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
千葉 宏毅 北里大学, 医学部, 助教 (90713587)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 説明 / 看取り / 在宅医療 / 在宅介護 / 訪問看護師 / ケアマネジャー / 末期がん患者 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は倫理委員会の承認を得た上で、定性研究から先に調査を実施し、その後混合研究におけるデータ収集を行うことを目下の目標としていた。9月に開催されたMixed Methods International Research Association ; ASIA Region Conference(国際混合研究法学会アジア地域会議:大阪)に参加し、本研究の研究方法に特化した発表(口頭:バイリンガル)を行った。ここではBenjamin F.Crabtree(Rutgers University : Robert Wood Johnson Medical School)らから研究デザインや研究成果のアウトプットに関して好評を得たことから、本研究のデザインに関する第三者からの形成的評価を得た重要な機会であった。定性研究によって得た結果と量的手法によって分析した結果データを1つの画面におさめ、簡素かつ有意な混合方法で提示することが重要であった。このような進行途中の研究について発表の機会を得たことで、本研究の方向性を一層強固なものとすることができた。現在データ収集を継続中であり、年度末に1名の対象者(訪問看護師)から4症例の報告があった。その他3名の対象者は現在進行中である。また本研究の中心となる混合研究に関するデータ収集をこれから実施する予定である。現在8名の協力者(訪問看護師4名、ケアマネジャー4名)が調査準備段階であるため用具の送付をもって開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4月には在宅医学会に参加し情報収集を行い、多くの在宅医療・介護従事者との意見交換を通じて、本研究への期待を感じた。 昨年度の報告通り、5月に本学倫理委員会へ申請を提出した。その後調査協力施設との情報交換を含めて審査承認に非常に時間を要し、11月に倫理審査の承諾を得ることができた(承認番号:B15-49)。5月中に発送用封筒や調査票返信用封筒の印刷を行い、使用するヴォイスレコーダーの購入など調査準備を進めた。審査中6月~9月に定性研究の協力施設4か所(東京、神奈川、岐阜、岡山)の対象者に対する調査の説明や、当該協力施設の窓口担当者との現地打ち合わせや調査用具(ヴォイスレコーダー等)の送付を行い、承認後すぐに調査を開始した。現在岡山の対象者(訪問看護師)から4症例のデータを得た。また同時期に混合研究の対象者(宮城、大阪、岡山)に対しても調査の依頼と説明を行い、正式な依頼やその返答と誓約書の授受を行った。こちらのデータに関しては調査用具の発送準備を済ませ、これから発送と調査実施を一斉に行う予定である。9月には国際混合研究法学会アジア地域会議において、本研究のデザインや過去の研究から予測される成果を紹介した。28年3月には質的研究に関するワークショップ(講師Joel Gittelsohn : Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health Global Obesity Prevention Center 東京)に参加し、現在進捗中の定性研究に関する情報収集を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方針については予定から大きな変更はない。定性研究において現在調査実施中の3人の対象者からデータのうち収集できたものから分析を実施していく。得たデータは秘密保契約を締結した業者に委託し、音声からテキストへとデータ変換作業を行ってもらう。現時点で4名の対象者から8症例分のデータを得る予定だが、理論飽和に達しない場合には対象者もしくは症例数を増やす予定である。この定性研究の分析によって熟達した訪問看護師やケアマネジャーの説明に関する整理を行うことができ、同時に混合研究のデータ分析で重要なコーディングルールを策定することが可能となる。混合研究についてはこれから用具等の発送を行い、調査に取り掛かる。今年度、時間的な都合により協力依頼ができなかった混合研究に関する調査対象者について、次年度正式な依頼を済ませ増やす予定である(今年度選定済み:質的データの収集であるためデータ収集時期が同時期である必要はない)。
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Causes of Carryover |
当初、情報収集を目的とした学会参加に伴う出張以外に、調査協力先への説明や依頼のために旅費を多めに見積もっていた。しかし当該年度に打合せが実施可能となった施設が研究計画時より少なかったため、次年度使用額が生じた。また同じ県内の複数の調査協力先へ対し、効率的に打合せ日時の設定が可能となったため、予定よりも旅程が短縮できたことも旅費を抑える理由となった。基本的に事前の電話やメールを用いた説明や連絡を行っているが、本研究の性質上直接面会して打ち合わせをすることが重要である。28年度は継続して調査協力可能な施設に依頼を実施していくため、旅費の支出が増えることが予想される。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は調査終盤の年度になるため、若干の遅れを回復すべく年度前半から主調査(混合研究)を実施する際に予算が必要となる。混合研究の調査対象者は今年度増える予定であるため、その打合せにともなう旅費に充当される。さらに分析に取り掛かる年度であるため、契約を締結した業者に対するテープ起こし業務の委託に予算が必要となる。年度のはじめからその他の費目において支出が見込まれる予定であることから、研究遂行のための計画的な使用が実施される。
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Research Products
(2 results)