2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテラルキー型分散エネルギーシステムのためのマイクログリッド間協調方式
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26870052
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹井 一人 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (00532219)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヘテラルキー / エージェントシステム / 分散エネルギーシステム / マイクログリッド / オークションモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分散エネルギーシステムにおける効果的な協調方式として、オークション型の協調方式を提案し、外部環境の急激な変化に対応しうる、分散コンポーネント間の協調方式を実現することを目的とする。平成27年度においては、ヘテラルキー型の相互作用方式がオークション型の協調形式において、どのような効果を示すかということについて、詳細な分析を行った。 オークション型の協調方式が外乱に対してロバストな性質を示すためには、内部的な協調の方式がヘテロジーニアスな構造を持っていることと、それぞれのエージェントが戦力を転換する際に利用する情報が異なる、という性質が必要であることが分かっている。本解析では、一般的に多く用いられているオークション方式であるダブルオークションのメカニズムを用いた市場モデルである、ゼロインテリジェンスエージェントモデルを採用し、これにヘテラルキー性から導き出される同期的時間と非同期的時間の中間的な性質を持つ時間概念を導入した。 数値シミュレーションを用いて、上記のエージェントシステムを実装し、これまで多く解析されてきた既存モデルに比べてどの程度のロバストネスが確保されたかを検証した。結果として、提案するヘテラルキー型の相互作用方式は、既存モデルに比べて外乱に対してロバスト性の高い挙動を示すことが明らかとなり、ロバストな相互作用システムにとってヘテラルキー性は必要条件である、ということが分かった。 本シミュレーション環境は、シミュレーションシナリオに特化して実装を行ったが、ルール表現を変換することで、実際に動作するソフトウェアエージェントシステムとして、実装することが可能であると考えられる。そのようなシステムを用いることで、簡易的にマイクログリッドシミュレータを構築することができ、本分析で得られた解析結果を検証することが可能であるが、研究期間の都合上、今後の課題とした。
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[Presentation] Extremely Local Interaction in the Market Model2016
Author(s)
Kazuto Sasai, Yukio-Pegio Gunji, Tetsuo Kinoshita
Organizer
The Twenty-First International Symposium on Artificial Life and Robotics 2016 (AROB 21st 2016)
Place of Presentation
B-Con PLAZA, Beppu, Ohita, JAPAN
Year and Date
2016-01-19 – 2016-01-21
Int'l Joint Research
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