2016 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between changes of innervation and metabolic function of the liver
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26870066
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
水野 恵 山形大学, 医学部, 医員 (00715394)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝内自律神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓内の自律神経線維は、脳との情報伝達により肝内の血流や胆汁分泌、代謝などに関与していることが知られている。本研究ではヒト肝内自律神経線維の代謝における役割を解明することを目的として、正常肝、ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)での神経線維陽性率を比較してきた。 当初は肝移植後の神経支配の変化と代謝の変化を検討する予定であったが、肝移植後の肝生検時期を揃えられず断念した。 正常肝、ウイルス性肝炎、NASHの神経線維について検討したが、門脈域によっては神経線維の同定が困難なものがあり、免疫組織化学染色に用いた抗体を抗S100抗体から変更し、全神経線維を抗PGP9.5抗体、交感神経線維を抗TH抗体を用いて同定した。また、門脈域の神経の評価方法は、神経線維を認めるものを「陽性」としていたが、門脈域の面積における神経線維の面積の比で表すことで、より神経線維の変化を表現しやすくした。 これらの変更により再度解析しなおした結果、肝疾患では正常肝と比較して全神経線維・交感神経線維ともに減少しており、ALTが高値であったり、線維化マーカーのM2BPGiやFIB4-indexが高い方が神経線維が減少する傾向にあった。また、空腹時血糖・HbA1cや脂質の値には明らかな差が無かった。 肝疾患においては、肝内自律神経線維も何らかの傷害を受けて減少することが示唆された。現時点では糖代謝や脂質代謝に関する検査値との関連を示す根拠が得られず、今後さらなる検討が必要である。
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