2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルメディアにおける大規模行動履歴を活用したユーザのうつ傾向推定
Project/Area Number |
26870076
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
津川 翔 筑波大学, システム情報系, 助教 (40632732)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャルウェブ / ビッグデータ / ソーシャルメディアマイニング / うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人が日常的に利用するソーシャルメディアにおけるユーザの活動履歴から、ユーザのうつ傾向を推定するモデルを構築することを目的としている。この目的を達成するために、(1) モデル構築のための教師データの収集、(2) 機械学習によるうつ傾向推定モデルの構築、(3) うつ傾向推定システムの実装と評価、の 3 つの研究課題を定めて研究を遂行する計画を立てていた。 最終年度である平成 27 年度は主に研究課題 (3) を遂行し、その結果に基づき、研究課題 (2) で構築したモデルの改良を実施した。 まず平成 26 年度に収集したソーシャルメディアユーザのデータを用いて、ユーザのうつ傾向を推定するシステムの評価を行った。これにより、特に投稿のトピックと、投稿の有する感情が推定の精度に大きな影響を与える特徴量であることを明らかにした。さらに、これらの推定に用いる特徴量を抽出する手法の改良を実施し、平成 26 年度に構築したモデルよりも高精度な予測を実現できることを確認した。 また、平成26年度に収集したデータとは別の約400万件の大規模なツイートデータを利用し、ソーシャルメディアにおける負の感情を有する投稿の拡散現象の分析を行った。これにより、他のユーザの投稿や、ユーザ間の交流の履歴からも、うつ傾向の推定に有用な特徴を抽出可能であるとの示唆を得た。 本研究全体の成果は、周辺分野の研究動向も含めて、電子情報通信学会の研究会において招待講演として発表した。負の感情を有する投稿の拡散現象の分析に関する成果は国際会議においても発表した。
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