2015 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣粘液性腺癌の発生と進展に関する病理遺伝子学的研究
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26870129
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
前田 大地 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30585500)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 卵巣粘液性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣粘液性腫瘍を研究するにあたって解決しなくてはいけない問題の一つが、腸型と内頸部型(内頸部様)の区別であった。以前から境界悪性腫瘍においてこれら二亜型への分類が行われていたものの、腺癌や腺腫(mucinous cysteadenoma)においてはあやふやな部分が多かった。我々はまず境界悪性腫瘍において「腸型」と「内頸部型」のそれぞれを構成する粘液性上皮の性質の違いを明らかにした。組織形態観察をふまえると「腸型」粘液性腫瘍の上皮の多くは「胃型粘液性上皮」の像を呈しており、そこに「腸型」成分が不規則に混在しているものと考えられたため、免疫組織化学的な実証を行った。具体的には胃型マーカーとしてCLDN18、腸型マーカーとしてCDX2、Muller管系マーカーとしてERを用いて発現を検討した。その結果、腸型境界悪性粘液性腫瘍が一般的にCLDN18+/CDX2±/ER-を示すのに対し、内頸部型境界悪性粘液性腫瘍はCLDN18-/CDX2-/ER+を示し、両者が全く性質の異なる粘液性上皮からなることが判明した。続いて粘液性嚢胞腺腫、粘液性腺癌を対象として同様の検討を行い、これらについても二群の区別を明確にした。その過程で、腸型粘液性腫瘍の発生母地として奇形種、ブレンナー腫瘍に加え、内膜症性上皮が候補としてあがった。さらに、腸型粘液性腫瘍が嚢胞腺腫、境界悪性腫瘍、腺癌というようにstepwiseに悪性化していく際に生じる遺伝子学的変化について検討を加え、RRM2遺伝子の発現亢進が生じることを明らかにした。そして、細胞株を用いた実験によってRRM2が腫瘍細胞の増殖促進に寄与していることを示した。また、腸型粘液性腺癌遺伝子変異に関する知見も蓄積しつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Hunner-Type (Classic) Interstitial Cystitis: A Distinct Inflammatory Disorder Characterized2015
Author(s)
Maeda D, Akiyama Y, Morikawa T, Kunita A, Ota Y, Katoh H, Niimi A, Nomiya A, Ishikawa S, Goto A, Igawa Y, Fukayama M, Homma Y.
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Journal Title
Plos One.
Volume: 10
Pages: e0143316
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Prognostic importance of CDK4/6-specific activity as a predictive marker for recurrence in patients with endometrial cancer, with or without adjuvant chemotherapy.2015
Author(s)
Ikeda Y, Oda K, Ishihara H, Wada-Hiraike O, Miyasaka A, Kashiyama T, Inaba K, Fukuda T, Sone K, Matsumoto Y, Arimoto T, Maeda D, Ikemura M, Fukayama M, Kawana K, Yano T, Aoki D, Osuga Y, Fujii T.
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Journal Title
Br J Cancer.
Volume: 113
Pages: 1477-83
DOI
Peer Reviewed