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2014 Fiscal Year Research-status Report

移行経済期ベトナムにおける新規大卒労働市場と人的ネットワークの「正当化」機能

Research Project

Project/Area Number 26870131
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

伊藤 未帆  東京大学, 教養学部, 講師 (90466821)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords国際情報交換 / ベトナム / 新規大卒者労働市場 / 入職経路
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、移行経済期ベトナムの労働市場における「平等性」概念とその変容について明らかにすることを目的とする。とりわけ、公的な就職あっせん制度が未発達のまま拡大を続けるベトナム労働市場では、学歴に対する社会的期待が過度に高揚すると同時に、縁故採用をはじめとする学歴以外の要件が、労働者と企業とを結ぶマッチングメカニズムにおいて重要な役割を果たすものと見なされるようになってきている。
本研究では、ベトナムにおける新規大卒者の労働市場への移行過程に焦点を当て、産業構造の変容とそれに伴う労働市場の拡大過程において、混乱する市場メカニズムと、急速な学歴社会化に伴う学歴指標の非信頼性を「補完」するものとして、人的資本の利用を含めたさまざまな入職経路が発達したこと、そのことが、ベトナムにおける「平等性」認識の再構築へとつながりつつあることを示すことを目的とする。
初年度にあたる平成26年度は、ベトナム人新規大卒者の進路追跡調査の事前準備として予備的調査を行った。具体的には、ハノイ国家大学(国立総合大学)教育の質評価研究所と協力し、同大学の傘下にあるハノイ経済大学で行われた大卒者の進路調査結果の共有と分析を行った。
また、ベトナムにおける労働市場の拡大過程と入職経路の多様化には、外資系企業が果たす役割も看過できないことから、ホーチミン市に現地法人を持つ日系企業3社にも聞き取り調査を行い、新規社員の採用、および採用後の人事管理に関する現状と今後の見通しについての情報収集を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ベトナム新規大卒者労働市場についての包括的なデータ収集、およびベトナム国家大学をはじめとする教育関係機関との情報交換を行い、次年度に予定している大卒者追跡調査に向けた準備過程を進めることができた。
また、研究成果の一部を「なぜ若者たちは「大卒」に憧れるのか:ベトナムにおける大卒労働市場の変容と雇用慣行」(こども社会研究(こども社会学会編)として発表し、広く研究成果の公開に努めた。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度に行った情報収集、および予備的調査結果の分析を踏まえたうえで、主にハノイ市近郊の複数の大学において、新規大卒者の追跡調査を実施する。
その調査成果をふまえたうえで、平成28年3月にアメリカ(シアトル)で行われる国際学会、Association for Asian Studies (AAS)においてパネル報告を行い、広く研究成果の公表、および研究者ネットワークの拡大に努めたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] なぜ若者たちは「大卒」に憧れるのか:ベトナムにおける大卒労働市場の変容と雇用慣行2014

    • Author(s)
      伊藤未帆
    • Journal Title

      子ども社会研究

      Volume: 20 Pages: 93⁻117

URL: 

Published: 2016-06-01  

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