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2014 Fiscal Year Research-status Report

モデル生物スエヒロタケの交配家系を用いた材質腐朽病の病原性関連遺伝子領域の同定

Research Project

Project/Area Number 26870142
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

竹本 周平  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90724724)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords材質腐朽病のモデル実験系 / 抵抗性の品種間差 / ポプラ遺伝資源
Outline of Annual Research Achievements

≪接種実験に適するポプラ品種を選定した≫
東京大学田無演習林で保存されている改良ポプラ20品種および比較対象としてニホンナシを用い、スエヒロタケ2菌株との組み合わせで接種実験を実施した。接種は、各樹種の一年枝(休眠枝)切り枝に穴を空け、菌糸の蔓延した妻楊枝を接種源として埋め込むことによりおこなった。接種後の切り枝は、水挿しとし25℃の人工気象器内で5週間培養した。切り枝を割断し接種点を含む柾目断面を観察したところ、多くのポプラ品種で接種点付近の木部に脱色が認められ、その上下には褐色がかった変色帯がひろがっていた。これは、ニホンナシなどで知られている初期腐朽の病徴と同様である。病変の大きさやそのばらつきに関しては品種間に差異が見られた。以上の結果から、ポプラがスエヒロタケの病原性の評価に利用可能であると確認できた。また、病変の鮮明な5品種を実験用の標準品種に選定した。
≪スエヒロタケ菌株の病原力を評価した≫
他の病原菌においてストレス耐性と病原力との関連性が知られていることから、スエヒロタケ菌が強い寒冷ストレスにさらされていると考えられる北海道を中心に標本の収集をおこなった。これまでに日本各地産の標本から45菌株を取得し、うち20菌株について、上記と同様の接種方法を用い2つの標準品種に対する病原力を評価した。しかし、木部に生じた変色帯の大きさは用いた菌株間で大差なく、以降の実験で交配親として用いるための強病原力菌株および弱病原力菌株の選抜には至らなかった。なお、菌株と品種の間には交互作用が認められ、品種間で抵抗性メカニズムが異なっている可能性が推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ポプラに対するスエヒロタケ菌の病原性が予想外に斉一であったため、交配親となる強病原力および弱病原力の菌株の選抜に至らなかった。また、実験材料として優れた特性を持つポプラ品種の現存本数が十分でなく、取得した全ての菌株について接種実験による病原力評価をおこなうことができなかった。以上のような問題点があるものの、ポプラがスエヒロタケの病原性の評価に利用可能であること自体は確認できており、接種の実験系はほぼ確立できたので、本研究課題を推進するうえで大きな障害とはならないと考えている。

Strategy for Future Research Activity

病原力がまだ評価できていない菌株について、接種実験を進めていく。また、実験材料となるポプラの枝条を安定的に供給するため、苗畑におけるポプラ標準品種の植栽を拡充していく。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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