2016 Fiscal Year Research-status Report
気候変動適応型社会の形成に向けたランドスケープ計画論
Project/Area Number |
26870164
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯田 晶子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90700930)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 土地利用 / シナリオ / 土砂流出 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果に基づき、本年度は土地利用シナリオの作成を行なった。土地利用シナリオは、①地域産業の戦略の違い、及び②土地利用の計画方法の違いに基づき複数案作成した。①地域産業の戦略の違いは、主要産業である観光業に着目し、5%成長、2.5%成長、1%成長の3水準を設定した。②土地利用の計画方法は、経済性重視の立場と環境配慮を重視(地形、傾斜、重要生物生息地、湿地環境等へ配慮)する立場の2つの方法を設定した。そして、陸域・海域の双方の生態系に影響し得る要素として土砂流出量に着目し、SWATモデルを用いてそれぞれのシナリオ下での土砂流出量を算出し、シナリオ間の比較検討を行った。なお、土地利用シナリオ作成にあたっては、現地カウンターパートである政府の気候変動局、及びパラオ観光局との議論を踏まえた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、平成28年度は土地利用シナリオの作成とその評価を行なうとともに、その成果について論文投稿、および国際会議での口頭発表を行なったため、「おおむね順調に進展している」と評価した。一方で、一通り土地利用シナリオとその評価を行ったことで、シナリオを作成する課程での課題も発見できた。平成29年度の前半は、土地利用シナリオの改善とその評価を改めて行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を統合し、戦略的土地利用計画をまとめとともに、国際会議での発表、および論文投稿を進める予定である。また、それと並行して、現地カウンターパートと協議を行いながら、政策提言まで行なうことを目標とする。
|
Causes of Carryover |
本年度はシミュレーションや空間解析など現地に赴かずとも作業可能な内容を特に進めた。現地カウンターパートとの打ち合わせを複数回実施したが、直接赴くだけでなく、スカイプを利用した打ち合わせを実施したため、海外調査のための旅費が削減できた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議での研究発表を行い、旅費として予算を使用したいと考えている。
|