2016 Fiscal Year Research-status Report
難治性口腔粘膜疾患の病態解明と新規制御法を目指した基礎的研究
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26870170
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
津島 文彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (90456210)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔扁平苔癬 / 金属アレルギー / PD-1陽性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平苔癬(OLP)は、臨床診断と病理組織学的診断を合わせて診断される。臨床的には、金属アレルギーによる口腔扁平苔癬様病変(OLL)とOLPとの鑑別が必要となる。今回、OLPと金属アレルギーとの関連について検討した。対象は、2009年1月から2013年12月の5年間に当科を初診し、臨床的にOLPと診断し、生検を施行した366症例のうち、パッチテストによる金属アレルギー検査が陽性であった26症例とした。発生部位は、頬粘膜:21例、歯肉:20例、舌:7例、口底:3例、口蓋:2例、口唇:1例で、発生様式は、両側性:17例、片側性:9例であった。臨床視診型は、網状型:35例、萎縮型:9例、びらん/潰瘍型:5例、丘疹型:2例、斑状型:2例、水疱型:1例であった。病理組織診断は、OLP:14例、OLP Suspected:6例、Epithelial dysplasia:3例、その他:3例であった。アレルギー検査陽性金属元素は、Ni:10例、Pd:8例、Pt:6例、Co:5例、Cr:5例、Hg:4例、Au:4例、Ir:2例、In:2例、V:2例、Mo:1例、Fe:1例、Cu:1例、Be:1例、Sn:1例であった。口腔内の補綴金属を全てあるいは一部除去したのは13例で、病変が消失したのは4例、改善したのは6例、不変が3例であった。補綴金属を除去せずに経過観察したのは13例で、改善が9例、不変が4例であった。陽性であった金属元素は、歯科用金属として使用されているものが多く、補綴金属の除去によって病変の消失または改善を認めた。 また、臨床的および病理組織学的にOLPと診断された症例を対象とし、免疫染色を施行した。これにより、上皮下および上皮内に浸潤しているCD3陽性T細胞上にPD-1およびPD-L1の発現および基底細胞(Keratinocytes)上にPD-L1が発現していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
免疫染色を施行するのに市販されている抗体のどれが免疫染色に適しているか、またその至適濃度がどれくらいかの予備実験に時間がかかり進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
PD-1陽性T細胞の性状(CD4,CD8, 制御性T細胞, 上皮内T細胞)について、および臨床視診型(網状型,萎縮型,びらん・潰瘍型)との関係について、免疫染色にて検討して行く予定である。
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Causes of Carryover |
免疫染色を施行するのに市販されている抗体のどれが免疫染色に適しているか、またその至適濃度がどれくらいかの予備実験に時間がかかり進行が遅れたため、物品購入の必要性があまり生じなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫染色に必要な消耗品に企てる予定である。
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Research Products
(5 results)