2015 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血細胞のインスリンシグナルに注目した新規動脈硬化マーカーの探索
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26870171
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土屋 恭一郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60451936)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
MYFKOマウスにおいて、動脈硬化の表現型に関わるマクロファージの炎症性遺伝子発現について、チオグリコレート誘導性腹腔内マクロファージを用いて検討した。LPS(10ng/ml)刺激において、TNF-α, IL-6, IL-1β, iNOSなどの炎症性遺伝子発現はMYFKOマウス由来腹腔内マクロファージにおいて著明に発現が抑制されていた。また、LPS刺激によるNF-κB p65サブユニットのリン酸化についてもMYFKOマウス由来腹腔内マクロファージにおいて抑制されていた。これまで、FoxO1はLPSの受容体TLR-4の発現を負に制御することで炎症抑制性に作用していると報告されていたが、FoxO1, 3aおよび4全てを欠損したMYFKOマウス由来腹腔内マクロファージにおいては、TLR-4とその会合分子の発現はmRNAおよび蛋白レベルともに変化を認めなかった。従って、MYFKOマウス由来腹腔内マクロファージにおけるLPS誘導性炎症性遺伝子の発現抑制には、TLR-4シグナルの発現調節とは異なる機序が想定され、TLR-4以下NF-κB p65サブユニット活性化に至るいずれかのステップに作用していると考えられた。また、平成26年度報告書において記載した、恒常活性型FoxO1(FoxO1-ADA)導入血管内皮細胞において発現が増加していたlipocalin-2においても、MYFKOマウス由来腹腔内マクロファージではLPSによる発現誘導が顕著に抑制されていた。研究計画記載の網羅的解析と並行して、lipocalin-2の動脈効果マーカーとしての意義を今後も候補的に検討していきたい。
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