2016 Fiscal Year Research-status Report
脱落・再植した歯と歯髄の保存的治療における酸素ナノバブル投与の有効性の検討
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26870173
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大石 敦之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (50645166)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノバブル / 酸素 / オゾン / ヒト口腔由来細胞 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、申請当初は動物実験を通してナノバブル水の組織保存性の検証を検討していたが、ナノバブルが生体にもたらすとされる組織保存性や生理活性作用などの現象が報告されている一方、そのメカニズムには不明な点が非常に多く、また、所属の動物実験施設の改修工事延長等の理由により、本期間においてはヒト口腔由来の細胞を用いた基礎的な調査を行った。具体的には、学内倫理審査委員会の承認の下、ナノバブル水がヒト口腔組織へ与える作用を明らかにするため、ナノバブル水で培地を作製し(ナノバブル培地)、ヒト口腔由来細胞の培養におけるナノバブルの影響を調査している。なお、ヒト口腔由来細胞は、埋伏過剰歯の抜歯の際に摘出され、廃棄される歯小嚢をから抽出した細胞を用いて作成した。これまでの実験において、培養細胞を酸素、もしくはオゾンナノバブルを含有した培地で一定期間培養し、細胞数の変化を計測したところ、通法の液体培地に比べてナノバブル培地による細胞数への顕著な影響は認められなかった。しかし、ナノバブル培地で培養した細胞の形態が通常の細胞と比べて若干異なる可能性がある点と、関連研究の報告より、ナノバブルに暴露される条件設定により、生物への影響が大きく異なる可能性が疑われたため、本研究もナノバブル培地の条件を変更して、ナノバブルによる生体、とくに細胞への影響が確実に観察できるナノバブル培地への暴露条件と、観察項目を模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナノバブル培地によるヒト口腔由来細胞への影響が顕著に認められるナノバブル培地の条件、もしくは観察項目の設定に時間を要している。また、診療などの病院業務に割かれる時間の増加により、研究環境が厳しくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノバブル培地をヒト口腔由来細胞に暴露する条件の設定、観察項目の改善を行い、ナノバブル培地によってヒト口腔由来細胞に顕著な影響を生じる実験系を確立する。
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Causes of Carryover |
本研究は、当初動物実験による検証を予定していたが、平成25年からの動物実験センターを含む研究・実験施設の大規模改修工事の延長等のため、ヒト口腔由来細胞を用いた基礎的な検証に計画の変更を行った。また、ナノバブルによるヒト口腔由来細胞への影響が十分に観察できる実験系の設定に時間を要したた。これらの理由により、研究費の次年度使用を申請した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ナノバブル培地がヒト口腔由来細胞へ与える作用の観察における消耗品の購入、また、論文発表のための英文校正、投稿費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)