2015 Fiscal Year Research-status Report
RGDナノゲルメンブレンを併用した骨移植を必要としない上顎洞底拳上術の有効性
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26870177
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小林 裕史 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10570814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム(DDS) / ナノゲル / クロドロネートリポソーム / 骨増生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)を備えた遅延型吸収性ナノゲルを新規開発すると同時に、骨移植を必要としない骨増生、例えば上顎洞粘膜拳上術、による新しい骨再生医療を追及することである。既に、ナノゲルを併用した創傷治癒、骨形成・骨再生を目的とした研究を行ってきており、ラット全層開放層欠損モデルにおけるコレステロール置換型プルランナノゲルの創傷治癒に対する有効性について報告してきている(Journal of Biomedical Materials Research Part B 91(1): 55-60, 2009)。また、H22~23年度の若手研究(B)において遅延型吸収性ナノゲルメンブレンを新規開発し、ラット頭蓋骨欠損モデルでGBR用メンブレンとしての有効性を報告した。しかし、骨移植せずに骨増生を獲得するためには、シグナル分子による細胞活性化が必要になる。 今年度は前年度に引き続き、破骨細胞機能を抑制するビスフォスフォネートの、短期の少量投与による骨・軟骨再生促進効果の可能性を検討した。前駆体であり、骨再生の初期に大きく関わる単球およびマクロファージに対して枯渇作用があるクロドロネートリポソーム(CL)を骨髄細胞に作用させ、骨芽細胞分化に対する可能性を調べた。8週令雌ICRマウスから、大腿骨骨髄細胞を骨芽細胞分化培地に播種した。CLを添加して一定時間作用させ、分化マーカーの遺伝子発現をRT-PCR法にて解析した。また、同培地に戻して1週間培養を続け、ALP陽性細胞および石灰化結節の染色を行った。 その結果、CL添加でTRAP陽性細胞およびALP陽性細胞が増加し、濃度依存的にいずれも減少した。また、骨分化マーカー遺伝子BMP2R、Runx2、Dlx5の発現は、CL投与時間によって変化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在は、骨増生に対するシグナル分子の効果、機序を確認している段階であり、多くの基礎データを収集中であるため
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Strategy for Future Research Activity |
In vitro、In vivoの実験を並行して行い、クロドロネートリポソームの効果を確認する予定である。最終的には、骨(細胞)移植の必要としない新規骨増生法を目指す。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況がやや遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
骨吸収抑制をもたらすビスフォスフォネートを、新規開発するDDSによって骨への局所投与をコントロールすることで、骨増生の研究を行う。次年度は、主に、ex-vivoでのクロドロネートリポソームの効果を検討していく。最終的には、骨(細胞)移植の必要としない新規骨増生法を目指す。
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Research Products
(2 results)