2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Role of the Judiciary in the "Democratization" Process in Turkey
Project/Area Number |
26870178
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岩坂 将充 同志社大学, 高等研究教育機構, 准教授 (80725341)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トルコ / 司法 / 政治 / 民主化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度にトルコで非常事態宣言が発令されたこと、そしてそれにともない自由な調査が保障されない状況となっていたことから計画を延期していた現地調査(トルコ大都市部でのインタヴュー・資料調査)の実施を検討することから開始した。現地研究者等との協議の結果、当初計画で予定していたかたちでの現地調査は本年度も同様の理由により実施困難と判断したが、代替措置として、トルコや欧州司法裁判所(ルクセンブルク)・ドイツ連邦憲法裁判所(カールスルーエ)などでの資料の追加入手や数名への聞き取り調査を実施し、最終年度として研究成果の取りまとめをおこなった。 これにより、前年度までに明らかにしてきた、1)憲法裁判所裁判官に対するEU・ヨーロッパ法曹の影響、2)憲法裁判所と政権との「民主化」に関する見解の一致点・相違点、3)司法の独立性、といった点について、以下のようにそれぞれ精緻化をおこなうことができた。1)については裁判官個人レベルでは国際交流がきわめて限定的であること、2)については2014年頃までは見解の一致が多くみられたこと、3)については司法の独立性は判決に関する限りは人事が他機関の影響下にあっても急激には失われないこと、などが明らかにされた。 これらをふまえた最終的な研究成果は、国内学会・学会刊行誌にて報告・掲載される予定であるほか、2018年7月開催の国際学会(The 5th International Conference on Turkey and Turkish Studies)にても報告予定であり、当該学会の刊行誌に報告論文が掲載され、公表される見込みである。
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