2021 Fiscal Year Research-status Report
黒川能の音楽技法に見られる五流との影響関係に関する研究
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26870182
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
柴田 真希 東京藝術大学, 大学院音楽研究科, 研究員 (60721214)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 謡 / 能 / 黒川能 / 民俗芸能 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度も引き続き、資料のスキャンと目録作成作業を進めた。同時に、資料の保管環境の改善として、中性紙箱による謡本の保管方法へ変更を行った。本作業は、謡本の劣化を防ぐことを目的としている。今後も順次保管環境の改善を進める。 謡本の解読については、黒川能の謡の詞章と観世流の謡との比較作業を進めながら、謡の詞章の異同箇所の把握を行った。その際に、伝承者による謡本への書き込みにも着目し、黒川能の伝承者たちが謡本をどのように使っていたのかという「謡本の使われ方」も把握をしている。今後は、比較作業を他流儀にも拡大し、黒川能の謡の成立過程の把握に努めたい。 今年度も昨年度から引き続き新型コロナウィルスの感染拡大により黒川能の奉納を観覧する機会及び現地でインタビューをする機会を作れなかった。何度か祭礼での奉納は行われているが、出席できるのは内部の人々に限定されている状況であった。また、上演形態も仕舞となっており、能形式での奉納は行われていない。一方で、若手の役者によるオンラインによる配信が行われたことは、上記のような状況下で貴重な観覧の機会となった。新型コロナウィルスによる伝承活動の休止は2年に渡るものとなっている。この期間が今後の伝承活動に与える影響については、今後も注意深く見守っていく必要性があるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当事者による謡の理解についてヒアリングを進める予定としていたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、現地でのヒアリングを実施することができなかった。外部からの訪問は令和4年5月上旬時点においても不可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
黒川能の奉納は少しずつではあるが再開してきており、令和4年度は現地での確認作業ができることを期待したい。 今年度は研究最終年度となることから、代替手段があれば検討をしたいが、現地の伝承者のオンラインへの対応は難しく、別の方法も含めて早急に方法を考えていきたいと思う。
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Causes of Carryover |
現地調査の旅費を確保していたが、現地の調査が実施できなかったために次年度繰越金が生じた。現地では1年間にわたって奉納があり、2月の奉納の調査を期待していたが、結果的に実施が見合わされたため、予算を執行することができなかった。今年度も中止の可能性を視野に入れて、早期の予算執行を行う。
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