2014 Fiscal Year Research-status Report
炭素とハイパーブランチポリマーのハイブリッド材料による新規固体触媒の開発
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26870183
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
難波江 裕太 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40514881)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / 触媒 / 芳香族高分子 / 高分子固定化触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイパーブランチポリエーテルスルホンを合成し、これをカーボンブラック上に固定化する手法を確立した。作製した試料を、ブタノールと酢酸のエステル化反応、およびアニソールとベンジルアルコールのフリーデルクラフツ反応の触媒として用い、性能を評価した。いずれの反応についても、作製した試料が固体酸触媒として機能することが明らかとなった。 ハイパーブランチポリエーテルケトンを合成し、これをセルロースの加水分解反応の触媒として用い、性能を評価した。ハイパーブランチポリエーテルケトンの末端に導入されたカルボン酸基が、確かに触媒作用を示すことを確認した。 上記、ハイパーブランチポリエーテルケトンを、カーボンブラック、およびポリイミド微粒子上に固定化する手法を確立した。さらにこのポリマーの末端に触媒活性基としてTEMPOを導入する手法を確立した。作製した試料を、ベンジルアルコールの部分酸化反応の触媒として用い、性能を評価した。作製した触媒が酸化触媒として機能することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画では、ハイパーブランチポリエーテルケトン、ハイパーブランチポリエーテルスルホンを合成し、そのキャラクタリゼーションと固体酸触媒としての性能評価を完了することを目標とした。いずれのポリマーも滞りなく合成を完了した。また触媒性能の評価も完了した。さらに27年度に計画していた、アルコールの部分酸化反応も一部完了した。 一方、分岐の度合いが触媒性能に与える影響については、一部課題が残っている。ハイパーブランチポリマーとリニアポリマーについて、それぞれ分子量、担持量当を変化させた触媒調製法を早急に確立し、触媒としての性能を評価する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイパーブランチポリエーテルスルホン、およびハイパーブランチポリエーテルケトンのいずれにおいても、対照となるリニアポリマーを作製し、ハイパーブランチ構造が触媒性能に及ぼす影響を明らかにする予定である。 目的としたハイパーブランチポリマーの合成が、当初予定よりも速やかに完了したので、試薬購入費を圧縮でき、この分を27年度に繰り越した。繰り越し分は、国際学会への参加費とし、成果の普及に努める予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に計画したハイパーブランチポリマーの合成が、当初予定よりも速やかに完了したので、試薬購入費を圧縮でき、この分を27年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越し分は、国際学会への参加費とし、成果の普及に努める予定である。
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Research Products
(9 results)