2015 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子と磁気抵抗変化素子の融合による超低消費電力磁化反転技術の創出
Project/Area Number |
26870192
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高村 陽太 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20708482)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 逆磁歪効果 / スピン注入磁化反転 / 磁気抵抗変化素子 / スピントロニクス / サマリウム鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,超磁歪層を情報記録層として用いた磁気抵抗素子と圧電体を融合したデバイスを作製し,電流によるスピン注入と圧電効果を併用した超低消費電力磁化反転動作を実証することを目的とした.本課題では,(1)超磁歪材料薄膜に関する材料開発,(2)逆磁歪効果測定装置の設計と作製,(3)逆磁歪効果を組み入れた磁化反転動作のシミュレーションの3本の柱を建てて,研究を遂行している.各項目について以下に成果を述べる. (1)ガス純化装置を導入し極清浄下でスパッタ成膜することで,超磁歪材料薄膜SmFe2の結晶化に成功した. (2)3Dプリンターを用いて,薄膜へ印加する治具を作製し,圧力を加えながら,磁化特性を測定することに成功した.圧力を印加した時としない時の磁化ヒステリシス曲線の差分から,上述の結晶化したSmFe2薄膜では,磁歪定数が-1000程度と見積もった.この値はバルク値と同程度の高いものである. (3)逆磁歪効果を組み入れたスピン注入磁化反転のシミュレーション方法を確立した.計算によると,逆磁歪効果を導入することで磁気抵抗素子の書き込み電流密度を従来の10分の1程度の0.1MA/cm2以下に削減できることを示した.さらに,本磁気抵抗素子を用いたMRAMセルに用いると,書き込み電圧を0.3V程度に低減でき,またセルあたりの消費エネルギーは,400分の1に低減できることを示した. 磁化抵抗変化素子へのデバイス加工は実現できなかったが,それ以外はおおむね目標を達成できたと考えている.
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Research Products
(10 results)