2015 Fiscal Year Research-status Report
実用的オークションシステム構築の理論及び実験的発展
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26870200
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| Research Institution | The University of Electro-Communications |
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Principal Investigator |
高橋 里司 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40709193)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | オークション理論 / 数理最適化 / 実験経済学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
種々のオークションモデルにおいて，実用化を妨げている問題点を明らかにし，それらの問題点について，経済学，情報科学，数理最適化の知識を融合させ，実用的なオークションシステムを構築し，新規のしじょうを想像することが本研究の目的である．そのために，（１）新規オークションモデル開発及び特徴づけ，（２）計算困難なオークションに対する近似アルゴリズムの開発，（３）被験者実験によるアルゴリズムの実用性の検証を行う．
本年度は次のように研究を遂行した．
（１）については，本年度は広告配置オークションに対する新しい価値付加モデルの開発に従事した．広告配置オークションとは，新聞や雑誌などのペーパーメディア，ポータルサイト等のインターネットメディアの広告掲載欄に広告を割当てるオークションである．従来のモデルでは，メディア論や，ビジネス科学で論じられている広告価値を考慮できていなかったが，広告価値を考慮した，二段階オークションモデルを構築し，性質について分析を行った．
（３）については，単一財複数ユニットオークションについて，VCGメカニズムと近似アルゴリズムの比較実験を行った．前年度及び前々年度の実験の継続であり，データの収集及び，前年度までの仮説の検証を行った．実験では，近似アルゴリズムを用いた結果とVCGメカニズムを用いた結果を比較した結果，配分効率性は劣るものの，売り手の利益に関しては差がないことが統計的に確認された．この結果をもとに，論文を執筆予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の2年目では，査読付き国際会議論文を4本発表し，投稿中の雑誌論文が1本あり，概ね順調に遂行できていると言える．査読付き国際会議論文は，広告配置オークションに対する新しい価値付加モデルの開発に関するもので，他分野の概念を取り入れたモデルを構築できたことは，横断的な研究を目指す本研究の主旨と合致していると言える．また，新しい研究課題を設定でき，一定の成果を残せたという点でも評価できる．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として，以下の３つのことを重点的に行う．
（１）被験者実験では，得られたデータ・分析結果をもとに，論文を執筆し年度内での採択を目指す．また，これまで行ってきた被験者実験での実験手法，手引書の作成等のノウハウを体系的にまとめ，アルゴリズムの比較を行う経済実験の仕様についてまとめることも目標とする．
（２）アルゴリズム開発については，広告配置オークションモデルにおける近似アルゴリズムの開発を行う．具体的には，詰込み問題に対する近似アルゴリズムのサーベイを行い，それを基にした近似保障付きのアルゴリズムを開発する．また，（１）との関連で，開発したアルゴリズムを対象とした基礎実験を行う．
（３）モデルの構築と特徴づけに関しては，広告配置オークションにおいて，評価関数に関する特徴づけを行う．また，スマートグリッドにおける電力小売取引モデルの構築を行う．これについては，前年度末から構築を行っており，本年度中の完成を目指す．
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| Causes of Carryover |
本年度は，大規模な計算機実験等を行っていないため，計算実験環境の整備をするための支出がなかった．また，被験者実験も予定していた回数行わなかったため，これらの差額が生じた．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は，研究成果の報告のための旅費，追加的な被験者実験，論文執筆に関わる英文構成等に支出する予定である．また，研究テーマに関連した研究会を開催するための支出を計画している．
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