2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26870205
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
増野 高司 総合研究大学院大学, その他の研究科, 研究員 (40569159)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 出稼ぎ / 山地民 / 少数民族 / タイ / ミエン / ヤオ族 / 都市 / 挙家離村 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度には,2014年6月~7月,2014年8月~9月,2015年2月~3月にタイでの現地調査を実施した.6月~7月にかけては,タイ北部のP村において就業状況に関する聞き取り調査を実施すると同時に,P村からバンコク周辺に働きに出ている村民に対する訪問調査を実施した.8月~9月にかけては,主に「旧盆祭」の際にP村へ帰村した出稼ぎ者らに対して聞き取り調査を実施した.2015年2月~3月にかけては,主に「新年祭」の際にP村に帰村した出稼ぎ者らに対する聞き取り調査を実施した.一連の調査により,出稼ぎの状況を含め,村民の就業状況に関する情報を蓄積することができた. タイでの研究成果について,2014年度には1編の学術論文を発表するとともに,合計3回の学術発表をおこなった.この学術論文(題名:Livelihoods of hillside areas in the past and the present: Mien (Yao) people in Northern Thailand)では,タイ北部に暮らすミエン族の生業の変化について広く議論すると同時に,2000年代に入って以降,彼らの活動の場がタイ北部の山村だけでなく,バンコクなどの都市部そして海外へと広がりを見せていることを指摘した.また,学術発表(題名:都市部への出稼ぎ者の増加にともなう家畜利用の変化 -タイ北部のミエン族の山村における事例-)では,都市部で働く者が増加した結果,「新年祭」などに供犠として利用するニワトリやブタの売買が活発になっている可能性を指摘した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度には,調査対象としたP村における最新の就業状況に関する情報を蓄積することができた.また2015年2月の「新年祭」の際には,P村に帰村した方々に対し,筆者が出稼ぎ先への訪問調査を実施する可能性について説明し,調査への了解をいただいた.2015年度以降の都市部等での訪問調査に向けて,調査は順調に進展していると考えている. 研究成果の公開については,2014年度が初年度だったこともあり,出版できた成果は少ないが,1編の学術論文を発表するとともに3回の学術発表を行うことができたことから,研究成果の公開についても順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の研究が順調に進展したことから,今後も出稼ぎ者の母村であるP村そして都市部などで働くP村の出身者を対象として調査を継続する予定である.2014年度には村民の就業状況の把握に注力した.2015年度以降には,就業状況の全体像の把握を継続すると同時に,2014年度の研究成果を受けて,出稼ぎ先への訪問調査に注力してゆく予定である.
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