2015 Fiscal Year Research-status Report
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26870205
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
増野 高司 総合研究大学院大学, その他の研究科, 研究員 (40569159)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 出稼ぎ / 都市 / 豆乳 / 山村 / ヤオ族 / ミエン / 少数民族 / 山地民 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年8月、10月、12月にタイでの現地調査を実施した。8月の調査では、タイ北部パヤオ県に位置する山地民の村落を訪問し、村外に働きに出ている家族について、村でのインタビュー調査を実施した。10月の調査では、バンコク周辺、およびタイ東北部に働きに出ている山地民の人びとを訪問し、インタビュー調査を実施するとともに、一部の世帯において豆乳の販売状況について直接観察を実施した。12月の調査では、タイ北部パヤオ県に位置する山地民の村落を訪問し、村外に働きに出ている家族について、村でのインタビュー調査を継続するとともに、村で行われている農業活動などについて直接観察を実施した。 2015年度には当初の計画通り、山地民の人びとについて彼らの出稼ぎ先、および彼らの母村での調査を実施することが出来た。その結果、出稼ぎ者のなかには、例えば豆乳を販売する屋台を経営する一部の世帯のように、販売が順調で大きな収入を得ている世帯がある一方で、同じ豆乳販売屋台を営む世帯でも、赤字にならない程度の収入しか得ていない世帯があることが明らかになってきた。出稼ぎ者を収入面で見た場合、出稼ぎでの成功者と非成功者との二極化が進んでいる可能性がある。 いっぽう、母村であるタイ北部の山村を見てみると、主要な現金収入源である飼料用トウモロコシの収穫・販売はトウモロコシの買い取り価格が低迷しているとのことから、大きな収入にはなっていない。このため、若者のなかに村に残って農業を続ける者がいない状況が続いている。さらに、親世代をみても若者たちが都市部に働きに出ることを推奨している雰囲気もあり、かつての日本と同様に山村の人口減少そして高齢化が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山地民の人びとについて、出稼ぎ先および彼らの母村での調査を実施することが出来た。 調査世帯数を順調に増やすことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度の調査では、一部の世帯ではあるが、事前に電話で連絡を取った際には、調査に協力していただけるとのことだったが、実際に訪問しようとしたところ、協力していただけない世帯があり、事前に決めた調査ルートの変更が必要な事例があった。2016年度には、直前の予定変更にも直ちに対応できるように準備しておくようこころがけたい。 2016年度は最終年度なので、2014年度、2015年度の研究成果のまとめを行うとともに、補足データの収集を実施する予定である。
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