2014 Fiscal Year Research-status Report
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26870211
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
吉武 裕美子 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80453794)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サスペンション / フォーム / 沈降 |
Outline of Annual Research Achievements |
生クリームで代表されるエマルジョンフォームは、界面活性剤、水、空気からなる一般のフォームに比べて桁違いに寿命が長い。泡の寿命の長短はプラトー境界における排水できまるが、エマルジョンのドロップレットはこの排水を阻害するため長い寿命を実現できていると考えられている。本研究ではプラトー境界におけるドロップレットの「ブロッキング現象」に着目している。それが何故生じどのように解消するのかを理解し、泡の寿命の制御につなげたい。 プラトー境界に見立てた毛細管に粒径の揃った粒子で作成した懸濁液を入れ、粒子の沈降挙動およびブロッキングを観察した。ブロッキング現象は単純に粒子の粒径と毛細管の内径の比で決まるものではなく、粒子の濃度にも強く依存することが分かった。さらに、ブロッキングの生じる粒径と生じない粒径のサスペンション溶液を混合すると、ブロッキングは粒子の混合割合によらず、ブロッキングが生じることが分かった。これらの結果より、ブロッキング現象には粒径だけでなく粒子の流動挙動、特に粒子回りの液体の流れ場を知ることが重要だと思われる。 粒子の沈降挙動をマイクロスコープにて観察すると、ブロッキング現象の前後で粒子の動きが遅くなる様子が観察できる。1粒子の沈降がつくる流体の流れが、他の粒子の沈降にも影響を与えているようである。この粒子の動きを正確に把握するため、PIVによる解析だけでなく、蛍光粒子を用いた1粒子の挙動観察も実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
粒子の沈降挙動の観察は、想像よりもはるかに複雑なものであった。一つの粒子のみに着目してブロッキング現象を解明しようとする当初の計画では、周囲の粒子の挙動を観察できず、現象の解明には不適切である。このため、マイクロスコープによる観察を行い、粒子の協同的な動きの測定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ブロッキング現象は単純に管の太さと粒径で決まる訳ではなく、粒子間の距離が狭くなり粒子もすれ違えない場合に生じる。毛管内で生じる粒子同士の衝突、大小の粒子の挙動の違いを明らかにすることがこの現象解明の鍵となるであろう。蛍光粒子を用いてブロッキング現象を起こす粒子の挙動を観察する。粒径を混ぜた系において、大きい粒子のみの挙動、小さい粒子のみの挙動を色の異なる蛍光粒子で観察し、その動きの差異よりブロッキング現象を明らかにする。また、顕微鏡による粒子全体の挙動観察も行い、どのようなきっかけによりブロッキングが生じるのか、その条件を明らかにする。
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