2015 Fiscal Year Research-status Report
胃粘膜保護剤ゲラニルゲラニルアセトンを用いた気管支肺異形成症の新規予防戦略
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26870229
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
徳力 周子 福井大学, 医学部, 助教 (60510237)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性肺疾患 / 気管支肺異形成症 / heat shock protein |
Outline of Annual Research Achievements |
1)新生仔の肺におけるHSP70の発現:C57/BL6Jを交配して得られた新生仔(日齢1)にgeranylgeranylacetone(GGA) を腹腔内投与、経口投与して24時間後の肺におけるHSP70の誘導をwestern blotting法にて確認した。GGA 500mg/kg腹腔内投与では、肺のHSP70はほとんど誘導されなかった。GGA 500mg/kg経口投与では、コントロールの約2倍程度のHSP70が誘導された。 2)気管支肺異形成モデルマウスの作成とGGA投与:アクリル製特注マウスゲージ(W540xD353xH245)、酸素濃度調整ボックス、在宅用酸素濃縮器を連結し、酸素濃度90%以上でマウスを飼育する環境を作成した。C57/BL6Jマウスを日齢1から高濃度酸素(>90%)曝露下で3日間飼育し、その後5 日間room airで飼育した。GGA投与群は日齢3まで500mg/kg/日を連日投与した。代理母は1日毎に交換した。仔マウスの体重変化を生後1、2、3、8日目に経時的に記録し、生後8日目に犠死させて肺組織を採取した。ホルマリン固定後、HE標本を作成してradial alveolar count(RAC), mean linear intercept(MLI)を計測し、肺組織の形態的な検討を行った。また、TUNEL法によりapoptosis陽性細胞を検出した。日齢8の高濃度酸素曝露群は非曝露群に比べ有意に体重増加率が減少していた。また、RACの減少、MLIの増大、TUNEL陽性細胞の増加を認めた。GGA投与により、高濃度酸素曝露後の日齢8における体重減少は抑制された。また、RAC減少、MLI増大、TUNEL陽性細胞増加も抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階までの結果をまとめて今年度の日本周産期新生児医学会学術集会にて発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
HSP70の阻害剤であるquercetinを同時に投与して同様の評価を行い、GGAの細胞保護効果がHSP70の誘導によるものであることを確認する。
一連の研究結果を論文にまとめ、発表する。
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Causes of Carryover |
2016年度1~3月は十分な産仔数が得られず実験が停滞したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
HSP70の阻害剤であるquercetinを同時に投与して高濃度酸素投与下における肺傷害の評価を行う。 また、今年度はおもに研究成果の発表と論文投稿を行うが、過程で追加実験が生じた際に物品費として使用する。
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